
燃えるワイヤーにしがみつきながら、手放すべきなのかもしれないと歌う。「All We Know」の二人は、近くにいることと、気持ちが重なることの間で揺れている。同じベッドでも鼓動は別々。それでも相手の行く先へついていく。この気持ちしか知らないという言葉には、二人をつなぐ親しさと、その外へ踏み出しにくい危うさがある。
The Chainsmokers feat. Phoebe Ryan「All We Know」公式MVをYouTubeで見る
歌詞と和訳
Verse 1: Phoebe Ryan & Andrew Taggart
Fighting flames with fire
炎に火で立ち向かう
Hang onto burning wires
燃えるワイヤーにしがみついている
We don't care anymore
もうどうでもいい
Are we fading lovers?
私たちは色褪せていく恋人なの?
We keep wasting colors
彩りを無駄にし続けている
Maybe we should let this go
この関係を手放すべきなのかもしれない
Pre-Chorus: Phoebe Ryan & Andrew Taggart
We're falling apart, still we hold together
壊れかけているのに、それでもつながったままでいる
We've passed the end, so we chase forever
終わりを通り過ぎたから、永遠を追いかける
'Cause this is all we know
だって、私たちはこれしか知らない
This feeling's all we know
この気持ちしか知らない
Chorus: Phoebe Ryan & Andrew Taggart
I'll ride my bike up to the road
自転車に乗って道へ出る
Down the streets right through the city
通りを下って、街を抜けて
I'll go everywhere you go
君が行くところなら、どこへでも行く
From Chicago to the coast
シカゴから海岸まで
You tell me, "Hit this and let's go
君は言う、「これを一吸いして、行こう
Blow the smoke right through the window"
煙は窓の外へ吐き出して」
'Cause this is all we know
だって、私たちが知っているのはこれだけ
Drop: Phoebe Ryan & Andrew Taggart
'Cause this is all we know
私たちは、これしか知らないんだから
'Cause this is all we know
だって、私たちはこれしか知らない
Verse 2: Phoebe Ryan & Andrew Taggart
Never face each other
互いに向き合うことはない
One bed, different covers
同じベッド、掛け布団は別々
We don't care anymore
もうどうでもいい
Two hearts still beating
二つの心臓は、まだ鼓動を打っている
On with different rhythms
それぞれ違うリズムで
Maybe we should let this go
この関係は、手放すべきなのかもしれない
Pre-Chorus: Phoebe Ryan & Andrew Taggart
We're falling apart, still we hold together
壊れかけているのに、それでもつながったままでいる
We've passed the end, so we chase forever
終わりを通り過ぎたから、永遠を追いかける
'Cause this is all we know
だって、私たちが知っているのはこれだけ
This feeling's all we know
知っているのは、この気持ちだけ
Chorus: Phoebe Ryan & Andrew Taggart
I'll ride my bike up to the road
自転車に乗って道へ出る
Down the streets right through the city
通りを下って、街を抜けて
I'll go everywhere you go
君の行くところへ、どこへでも行く
From Chicago to the coast
シカゴから海岸まで
You tell me, "Hit this and let's go
君は言う、「これを一吸いして、行こう
Blow the smoke right through the window"
煙は窓の外へ吐き出して」
'Cause this is all we know
私たちは、これしか知らないんだから
Drop: Phoebe Ryan & Andrew Taggart
'Cause this is all we know
だって、私たちはこれしか知らない
'Cause this is all we know
だって、私たちが知っているのはこれだけ
歌詞を深く読む
手放すべきものへしがみつく二人
最初の闘いでは、炎を相手に、同じ火を向けている。二人を苦しめるものに対抗しても、その場を冷ましてくれるものは入ってこない。続く「burning wires」は、しがみつく支えにまで熱を移す。握り続ければ傷つきそうなものを、なお離せずにいる姿が、壊れかけてもつながる二人の危うさを先に見せる。
しがみつく動作の後から、この関係を手放すべきなのかもしれない、という言葉が出る。ここでは手放すことに、相手とのつながりを失う怖さと、燃えるものから手を離す感覚が重なる。しかし、語り手は離そうと言い切らず、かもしれないというところで留まる。頭では手を離すことを考えながら、歌の中の手はまだしがみついている。
恋人たちの色が薄れていく問いと、「wasting colors」、彩りを無駄にし続けるという行にも、二人の動きが重なる。色褪せるだけなら、時間のせいで自然に失われていく姿にも見える。そこへ無駄にしているという言葉が加わるため、まだある鮮やかさを二人自身が生かせず、失わせている痛みが生まれる。残っているものがあるからこそ、もう手放すべきなのかという問いは簡単に決着しない。
二番では、そのずれが同じベッドの中へ入る。一つの寝床にいても向き合わず、掛け布団は別々だ。同じ場所を共有することが、相手へ身体を向けることや、同じぬくもりを分けることにつながらない。遠く離れた恋人を思う歌以上に、すぐそばの相手と離れている感覚が、生活の細部から浮かび上がる。
二つの心臓もまだ動いているが、リズムは違う。心が残っていることと、二人の歩調が合うことが分かれる。もうどうでもいいという言葉は両方の節にあるのに、しがみつく手も鼓動も続き、手放す提案も言い切れない。諦めたような声の下で続く動きが、壊れることと、つながっていることを同時に歌うサビのねじれを支えている。
終わりを越えても知っているのはこの気持ちだけ
終わりを通り過ぎたから永遠を追う、という一行は、愛が深まったから長く続くという順番を入れ替える。直前では二人が壊れかけているため、ここで通り過ぎた終わりには、関係の限界や別れの地点が重なる。その地点を越えてしまったことが、さらに続けようとする理由になる。永遠は、二人の確かな行き先というより、終わるはずだった関係をなお続けるための言葉として響く。
「all we know」は、この気持ちしか知らないという次の行へ絞られる。知っているもののすべてが、一つの感情に収まってしまう言い方だ。それは二人だけに通じる親しさを強めると同時に、これ以外の形を思い描きにくくする。壊れかけても離れない理由を説明する言葉が、確信と行き詰まりの両方を帯びるのは、知っている範囲がそれほど狭いからだ。
サビでは道から通り、街へ進み、シカゴから海岸まで距離が広がる。相手の行くところならどこへでも行くという約束は、場所に限界を設けない。一方、行き先を決める基準はどこまで進んでも君であり、曲が戻る言葉は、これしか知らないという一行だ。移動できる範囲の広さと、離れられない感情の狭さが、同じサビの中に並ぶ。
一吸いして行こう、煙は窓の外へ出して、という相手の言葉も、その場を動かす短い合図になる。向き合わない二人にも、一緒に先へ進むための呼びかけは残っている。ただ、行こうという行動の後には、関係をほどく言葉ではなく、また同じ気持ちしか知らないという説明が続く。次へ進む動作が、二人の間にある問いを先へ持ち越していく。
二番を経てもサビとドロップは同じ言葉へ戻る。一度目には強い結びつきにも聞こえた、これしか知らないという声が、別々の掛け布団と鼓動を知った後では、そこから抜け出しにくい声にもなる。終わりにも新しい行き先は加わらず、知っている気持ちだけが残る。二人が遠くへ行くことと、関係が変わることの間には、最後まで距離がある。

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