写真:Eva Rinaldi/Wikimedia Commons/CC BY-SA 2.0。変更:トリミング、リサイズ、彩度・コントラスト調整、紺色グラデーションと記事用文字の追加。改変後のカバーもCC BY-SA 2.0で提供します。写真に写るアーティストはEd Sheeranです。当該楽曲の演奏記録や公式アートではありません。
草の匂い、ぎこちない初めてのキス、丘の城の向こうへ沈む夕日。「Castle on the Hill」は、昔の場所へ戻りたい声に、成長した友人たちの今を重ねる。思い出は無傷の青春ではなく、喜びも失敗も、人を失うことも含んでいる。それでも、ここで自分を育てた人たちへ帰りたいという願いは変わらない。
歌詞と和訳
Verse 1
When I was six years old, I broke my leg
六歳のとき、足を折った
I was runnin' from my brother and his friends
兄弟と、その友達から逃げていた
And tasted the sweet perfume of the mountain grass I rolled down
転げ落ちた丘の草の、甘い香りを味わった
I was younger then, take me back to when I
あのころは若かった、あのときへ連れ戻して
Pre-Chorus
Found my heart and broke it here
ここで心を見つけ、ここで傷ついた
Made friends and lost them through the years
友達ができて、年月の中で失ってきた
And I've not seen the roaring fields in so long, I know I've grown
ざわめく野原を長く見ていない、自分が大人になったのは分かる
But I can't wait to go home
でも、早く家へ帰りたい
Chorus
I'm on my way
いま、帰る途中だ
Drivin' at ninety down those country lanes
スピードを九十まで上げて、あの田舎道を走る
Singin' to "Tiny Dancer"
タイニー・ダンサーに合わせて歌いながら
And I miss the way you make me feel and it's real
君といると感じるあの気持ちが恋しい、本当なんだ
We watched the sunset over the castle on the hill
丘の城の向こうへ沈む夕日を、二人で見た
Verse 2
Fifteen years old and smoking hand-rolled cigarettes
十五歳で、手巻きのタバコを吸って
Runnin' from the law through the backfields and gettin' drunk with my friends
裏の野原を抜けて警察から逃げ、友達と酔った
Had my first kiss on a Friday night, I don't reckon that I did it right
金曜の夜に初めてキスをした、うまくできたとは思わない
But I was younger then, take me back to when
でも、あのころは若かった、あのときへ連れ戻して
Pre-Chorus
We found weekend jobs, when we got paid
週末の仕事を見つけ、給料が入ると
We'd buy cheap spirits and drink them straight
安い強い酒を買って、そのまま飲んだ
Me and my friends have not thrown up in so long, oh, how we've grown
僕も友達も長く吐いていない、ずいぶん大人になったね
But I can't wait to go home
でも、早く家へ帰りたい
Chorus
I'm on my way
いま、帰る途中だ
Drivin' at ninety down those country lanes
スピードを九十まで上げて、あの田舎道を走る
Singin' to "Tiny Dancer"
タイニー・ダンサーに合わせて歌いながら
And I miss the way you make me feel and it's real
君といると感じるあの気持ちが恋しい、本当なんだ
We watched the sunset over the castle on the hill
丘の城の向こうへ沈む夕日を、二人で見た
Over the castle on the hill
丘の城の向こうへ
Over the castle on the hill
丘の城の向こうへ
Bridge
One friend left to sell clothes
ある友達は、服を売る仕事に出ていった
One works down by the coast
ある友達は、海岸の近くで働いてる
One had two kids but lives alone
二人の子どもがいても、ひとりで暮らす友達がいる
One's brother overdosed
ある友達の兄弟は、薬物を摂りすぎた
One's already on his second wife
もう二人目の妻と暮らす友達もいる
One's just barely gettin' by
何とか生活をつないでいる友達もいる
But these people raised me
でも、この人たちが僕を育てた
And I can't wait to go home
早く家へ帰りたい
Chorus
And I'm on my way, I still remember
いま、帰る途中だ、まだ覚えている
These old country lanes
あの古い田舎道を
When we did not know the answers
まだ答えを知らなかった、あのころを
And I miss the way you make me feel and it's real
君といると感じるあの気持ちが恋しい、本当なんだ
We watched the sunset over the castle on the hill
丘の城の向こうへ沈む夕日を、二人で見た
Over the castle on the hill
丘の城の向こうへ
Over the castle on the hill
丘の城の向こうへ
歌詞を深く読む
帰り道を走る体に、昔の草の匂いが戻る
冒頭の思い出は、整った故郷の紹介ではなく、足を折り、丘を転がる体から始まる。草の香りを味わったという言い方は、匂いを思い出すだけでなく、草の中へ入り込んだ感覚を戻す。過去の場所は写真のような遠景でなく、痛みも匂いも知っている体の記憶として現れる。
野原を「roaring」と呼ぶ声にも、静止した思い出にはない勢いがある。ざわめきや強い広がりを感じる場所を、長く見ていないという時間が続く。成長したと分かっていても、その場所を感じたくなる。帰る途中の田舎道を速く走る像は、いまの体を、記憶の残る場所へ少しでも早く近づけようとする動きになる。
サビで恋しいのは、城という建物だけでなく、そこで相手といるときに感じた自分の気持ちだ。夕日を一緒に見たという経験が、場所と人を結びつける。帰ることは景色を再び見るだけでは足りず、その景色の中にいた自分たちの感覚へ触れることになる。だから城の向こうという短い反復にも、相手との時間が残る。
大人になった証拠が、少しおかしく、少し寂しい
一番では心を見つけて傷つき、友達を作って失ってきたと並ぶ。楽しかった出来事だけを残すのでなく、同じ場所に得ることと失うことがある。若かったという反復は、昔はすべてよかったという評価より、いまより多くのことをまだ知らなかった自分へ思いを向ける声になる。
二番の成長は、酔って吐くことがもう長くないという、少しくだけた比較で示される。初めてのキスもうまかったとは言わない。失敗や無茶の具体性があるため、青春は立派な自分を誇るための物語にならない。友達といた時間のぎこちなさまで大切な記憶として戻る。
それでも最後には、答えを知らなかったころという言葉が加わる。昔の失敗を、いまの知識で直すために帰るのではない。行き先がまだ決まらず、友達と同じ時間にいた自分を思い出したい。成長を認めるたびに早く帰りたいという声が戻るので、大人になったことと、その時代が恋しいことは打ち消し合わず続いている。
育ててくれた友達も、もう同じ人生にはいない
ブリッジは友達を一人ずつ示す。仕事で離れた人、子どもがいても独りで暮らす人、生活をつなぐだけで精いっぱいの人が並ぶ。昔一緒に飲み、夕日を見た人たちのその後は、一つの成功物語に収まらない。帰る場所を語りながら、そこにいる人たちが変わったことも曲の中へ入れている。
そのあとに来る「raised me」は、こうした人たちを、自分を育てた人としてまとめる。現在の状況がどうであれ、一緒に過ごした時間が自分を形にしたことは変わらない。友達の人生を評価して帰る価値を決めるのでなく、その人たちと自分との関係を帰る理由にする。寂しい現実が出た直後でも、早く帰りたいという願いが弱まらない。
最後のサビでは、以前の勢いよく走る場面から、古い道を覚えているという声へ変わる。帰れば過去がそのまま復元されるとは示されない。変わった自分と、違う人生を生きる友人たちが、同じ記憶を持つ場所へ近づく。丘の城に戻る反復は、時を止める願いより、時が進んでも関係の根を確かめたい願いとして響く。

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