
四年、電話のなかった相手が、ホテルのバーにいる。「Closer」の二人は、もう一度身体を近づけると同時に、かつての暮らしまで引き寄せる。肩のタトゥー、盗んだマットレス、聴き倒した一曲。細かな記憶は戻るのに、別れた理由は遠のき、歳を取らないという声が二人の時間を包んでいく。
The Chainsmokers feat. Halsey「Closer」公式MVをYouTubeで見る
歌詞と和訳
Verse 1: Andrew Taggart
Hey, I was doing just fine before I met you
ねえ、君に会う前は、それなりにうまくやっていた
I drink too much and that's an issue, but I'm okay
飲みすぎるのは問題だけど、僕は大丈夫
Hey, you tell your friends it was nice to meet them
ねえ、君の友達には、会えてよかったと伝えて
But I hope I never see them again
でも、二度と会わずに済めばいいと思ってる
Pre-Chorus: Andrew Taggart
I know it breaks your heart
君の心を傷つけるのは分かっている
Moved to the city in a broke-down car
ぼろぼろの車で街へ引っ越して
And four years, no calls
そして四年、電話もなし
Now you're lookin' pretty in a hotel bar
今、君はホテルのバーできれいに見える
And I-I-I can't stop
そして僕は、止まれない
No, I-I-I can't stop
いや、僕は止まれない
Chorus: Andrew Taggart
So, baby, pull me closer
だから、ねえ、僕をもっと引き寄せて
In the backseat of your Rover
君のローバーの後部座席で
That I know you can't afford
君には買う余裕がないって、分かってる
Bite that tattoo on your shoulder
君の肩のそのタトゥーに、歯を立てる
Pull the sheets right off the corner
シーツを端から引き剥がす
Of the mattress that you stole
君が盗んだ、そのマットレスから
From your roommate back in Boulder
ボールダーにいた頃のルームメイトから
We ain't ever gettin' older
僕らはいつまでも歳を取らない
Drop: Andrew Taggart
We ain't ever gettin' older
僕らは歳を取らない、いつまでも
We ain't ever gettin' older
いつまでも僕らは歳を取らない
Verse 2: Halsey
You look as good as the day I met you
君は出会った日と変わらず素敵に見える
I forget just why I left you, I was insane
別れた理由さえ忘れちゃう、私はどうかしてた
Stay and play that blink-182 song
ここにいて、あのblink-182の曲をかけて
That we beat to death in Tucson, okay
タクソンで聴き倒した、あの曲を、ねえ
Pre-Chorus: Halsey, Halsey & Andrew Taggart
I know it breaks your heart
君の心を傷つけるのは分かっている
Moved to the city in a broke-down car
ぼろぼろの車で街へ引っ越して
And four years, no call
そして四年、電話もなし
Now I'm lookin' pretty in a hotel bar
今、私はホテルのバーできれいに見える
And I-I-I can't stop
そして私は、止まれない
No, I-I-I can't stop
ううん、私は止まれない
Chorus: Andrew Taggart & Halsey
So, baby, pull me closer
だから、ねえ、私をもっと引き寄せて
In the backseat of your Rover
君のローバーの後部座席で
That I know you can't afford
君には買う余裕がないって、分かってる
Bite that tattoo on your shoulder
君の肩のそのタトゥーに、歯を立てる
Pull the sheets right off the corner
シーツを端から引き剥がす
Of the mattress that you stole
君が盗んだ、そのマットレスから
From your roommate back in Boulder
ボールダーにいた頃のルームメイトから
We ain't ever gettin' older
私たちはいつまでも歳を取らない
Drop: Andrew Taggart & Halsey
We ain't ever gettin' older
私たちは歳を取らない、いつまでも
We ain't ever gettin' older
いつまでも私たちは歳を取らない
Chorus: Andrew Taggart
So, baby, pull me closer
だから、ねえ、僕をもっと引き寄せて
In the backseat of your Rover
君のローバーの後部座席で
That I know you can't afford
君には買う余裕がないって、分かってる
Bite that tattoo on your shoulder
君の肩のそのタトゥーに、歯を立てる
Pull the sheets right off the corner
シーツを端から引き剥がす
Of the mattress that you stole
君が盗んだ、そのマットレスから
From your roommate back in Boulder
ボールダーにいた頃のルームメイトから
We ain't ever gettin' older
僕らはいつまでも歳を取らない
Bridge: Andrew Taggart, Halsey, Andrew Taggart & Halsey
We ain't ever gettin' older
僕らは歳を取らない、いつまでも
No, we ain't ever gettin' older
いや、僕らはいつまでも歳を取らない
We ain't ever gettin' older
いつまでも僕らは歳を取らない
No, we ain't ever gettin' older
いや、僕らは歳を取らない、いつまでも
We ain't ever gettin' older
僕らはいつまでも歳を取らない
We ain't ever gettin' older
僕らは歳を取らない、いつまでも
We ain't ever gettin' older
いつまでも僕らは歳を取らない
No, we ain't ever gettin' older
いや、いつまでも僕らは歳を取らない
Drop: Halsey, Halsey & Andrew Taggart
Older
歳を取る
We ain't ever gettin' older
私たちはいつまでも歳を取らない
Older
歳を取る
No, we ain't ever gettin' older
ううん、私たちはいつまでも歳を取らない
歌詞を深く読む
知りすぎている二人がもう一度近づく
君に会う前はうまくやっていたという始まりには、すぐ飲みすぎる問題と、それでも大丈夫という言葉が続く。相手の友達にも、会えてよかったと伝えてほしいと言いながら、二度と会いたくないと思う。表面を整える言葉の後から、都合の悪い本音がこぼれる。再会した二人の近さにも、こうした遠慮のない言葉が入り込んでいる。
もっと引き寄せてという頼みの中の「pull」は、身体を近づけるだけで終わらない。少し後には同じ動詞でシーツを引きはがし、寝具の角から、盗んだマットレスと以前のルームメイトの話へ続く。肌に近づくほど、相手の生活の細部まで歌の中へ引き寄せられる。肩の「そのタトゥー」も、知らない人の身体への憧れより、すでに知っている印へもう一度触れる近さを帯びる。
車の後部座席という甘い場面にも、君には買う余裕がないと知っている、という一言が差し込まれる。魅力的な持ち物と、それに見合わない財布の事情が一緒に見えてしまう。盗んだ寝具や地名まで覚えている声にも、相手の過去をきれいに飾る気配は薄い。再会の親密さは、相手を褒めることだけでなく、今さら隠せないことまで知っている二人の距離から生まれている。
聴き倒した一曲が昔の二人を呼び戻す
二番で持ち出されるblink-182の一曲は、二人が「beat to death」した曲だ。文字どおり死ぬまで打つほどの強い言い方が、ここでは、聴きすぎて消耗させるほど繰り返した時間を表す。かけすぎた一曲を再び求めるところに、かつては飽きるほど共有したものが、再会した今には恋しくなる反転がある。
頼みは、ここにいて、あの曲をかけてという二つの動作を結ぶ。相手をその場に留めることと、昔の音をもう一度鳴らすことが、同じ呼びかけになる。「あの曲」という指し方にタクソンの地名が重なり、曲だけでなく、それを二人で聴いていた場所と時間も戻ってくる。もう少し近づきたい相手には、今の君と、君と一緒にいた頃の自分が重なっている。
その細かい記憶と対照的なのが、別れた理由を忘れるという一行だ。音楽を共有した場所は覚えていても、離れることを選んだ理由は、出会った日と変わらず魅力的に見える相手の前で薄れる。どうかしていたと過去の自分を言う声は、別れたときの判断より、今ここにいてほしい気持ちへ傾く。記憶が一様に戻るのでなく、再び近づきたい願いに沿って戻ることが、この再会の甘さを強めている。
四年を数えた声が歳を取らないと歌う
サビの前には、四年という具体的な長さと、電話のなかった空白がある。ところが、その後の二人は、いつまでも歳を取らないと言う。経過した時間をはっきり数えてから、身体を近づける場面では時間の流れを拒む。この順番のため、歳を取らないという宣言には、再会の瞬間だけでも昔へ戻りたい気持ちが聞こえる。
ホテルのバーで、君がきれいに見えると言った一番に対し、二番では私がきれいに見えると歌われる。見る側の声に、見られている自分を意識する声が加わるため、同じ再会が片方の憧れだけに閉じなくなる。止められないと言う声も双方から現れ、もっと引き寄せてという頼みが、二人の同じ方向へ向かう衝動として重なる。
終盤では、車や寝具の細部が消え、歳を取らないという一行が何度も残る。さらに否定を重ねる言葉も入るため、この宣言は、将来を落ち着いて約束する声より、流れ始める時間を今ここで押し返す声に近い。四年の空白を思い出せる二人だからこそ、時間が止まったように感じる一瞬を、繰り返し確かめたくなる。

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