
向かい合うと笑い、背を向けると嫌う。「Enemy」の語り手は、その二つの顔の間で、静けさの中でも周囲の声を探してしまう。悪口を頭へ積み、今度はマイクへ返す。その攻める声の内側にも、誰かが自分のために祈ってほしいという、支えを求める声が残っている。
歌詞と和訳
Intro: Dan Reynolds
Look out for yourself
自分の身に気をつけろ
Verse 1: Dan Reynolds
I wake up to the sounds of the silence that allows
沈黙の音で目を覚ます。その静けさの中では
For my mind to run around, with my ear up to the ground
考えが走り回る。地面へ耳を寄せて
I'm searchin' to behold the stories that are told
僕は語られている話を確かめようとする
When my back is to the world that was smilin' when I turned
こちらを向けば笑っていた世界に、背を向けたときの話を
Pre-Chorus: Dan Reynolds
Tell you you're the greatest
君は最高だと、皆が言う
But once you turn, they hate us
でも、背を向けた途端、僕らを嫌う
Chorus: Dan Reynolds
Oh, the misery
この苦しさ
Everybody wants to be my enemy
誰もが僕の敵になりたがる
Spare the sympathy
同情なんかいらない
Everybody wants to be my enemy-y-y-y-y
誰もが僕の敵になりたがる
(Look out for yourself)
(自分の身に気をつけろ)
My enemy-y-y-y-y (Look, look, look, look)
僕の敵(ほら、ほら、ほら、ほら)
(Look out for yourself)
(自分の身に気をつけろ)
But I'm ready
でも、覚悟はできている
Verse 2: Dan Reynolds
Your words up on thе wall as you're prayin' for my fall
僕の転落を祈りながら、君は壁に言葉を掲げる
And the laughter in thе halls and the names that I've been called
廊下の笑い声や、僕が呼ばれた呼び名
I stack it in my mind, and I'm waitin' for the time
それを頭の中に積み上げ、時を待っている
When I show you what it's like to be words spit in a mic
マイクへ吐き出す言葉になるのがどんなものか、君へ見せる時を
Pre-Chorus: Dan Reynolds
Tell you you're the greatest
君は最高だと、皆が言う
But once you turn, they hate us (Ha)
でも、背を向けた途端、僕らを嫌う
Chorus: Dan Reynolds & JID
Oh, the misery
この苦しみ
Everybody wants to be my enemy
僕の敵になりたがっている、誰もが
Spare the sympathy
同情なんかいらない
Everybody wants to be my enemy-y-y-y-y (Look, look, look, look)
誰もが僕の敵になりたがる(ほら、ほら、ほら、ほら)
(Look out for yourself)
(自分の身に気をつけろ)
My enemy-y-y-y-y (Look, look, look, look; yeah)
僕の敵(ほら、ほら、ほら、ほら、そう)
(Look out for yourself)
(自分の身に気をつけろ)
Verse 3: JID
Uh, look, okay
ほら、いいか
I'm hopin' that somebody pray for me
誰かが僕のために祈ってくれるよう願っている
I'm prayin' that somebody hope for me
誰かが僕のために願ってくれるよう祈っている
I'm stayin' where nobody 'posed to be p-p-posted
誰もいるはずのない場所に、僕は立っている
Being a wreck of emotions
感情はぼろぼろだ
Ready to go whenever, just let me know
いつでも行ける、知らせてくれれば
The road is long, so put the pedal into the floor
道は長い、だからペダルを床まで踏み込め
The enemy on my trail, my energy unavailable
敵は後を追い、使える力も残っていない
I'ma tell 'em, "Hasta luego"
奴らには、またな、と言ってやる
They wanna plot on my trot to the top
頂上へ駆け上がる僕を、罠にかけたがっている
I been outta shape, thinkin' out the box, I'm an astronaut
体の調子は落ちている、でも枠の外で考える、僕は宇宙飛行士
I blasted off the planet rock to cause catastrophe
この岩の星から飛び立ち、破局を起こす
And it matters more because I had it not
持っていなかったからこそ、それがいっそう大事になる
Had I thought about wreaking havoc
敵に混乱を引き起こすことを考えていたなら
On an opposition, kinda shockin' they wanted static
向こうが争いを望んだのも、ある意味驚きだ
With precision, I'm automatic quarterback
精確に、僕は自動で動くクォーターバック
I ain't talkin' sackin', pack it
潰される話じゃない、荷物をまとめろ
Pack it up, I don't panic, batter-batter up
まとめて出ていけ、僕は慌てない、次の打者だ
Who the baddest? It don't matter 'cause we at your throat
誰が最強かはどうでもいい、僕らは君の喉元に迫っている
Chorus: Dan Reynolds
Everybody wants to be my enemy
みんなが僕の敵になりたがる
Spare the sympathy (Ah)
同情なんかいらない
Everybody wants to be my enemy
誰もが僕の敵になりたがる
Oh, the misery (Ah)
この苦しさ
Everybody wants to be my enemy
僕の敵になりたがっている、誰もが
Spare the sympathy (Ah)
同情は要らない
Everybody wants to be my enemy
みんなが僕の敵になりたがる
Outro: Dan Reynolds
Pray it away, I swear I'll never be a saint, no way
祈って追い払っても、僕は決して聖人にはならない、絶対に
My enemy
僕の敵
Pray it away, I swear I'll never be a saint
祈って追い払っても、僕は決して聖人にはならない
(Look out for yourself)
(自分の身に気をつけろ)
歌詞を深く読む
笑顔の世界に背を向けると、沈黙まで落ち着かない
一番の沈黙は、何も起きていない平穏な時間としては出てこない。静かになると考えが走り回り、語り手は耳を地面へ寄せるように周囲の話を探す。聞こえてくるものが少ないほど、背後で何が言われているか気になる。冒頭の自分に気をつけろという警告が、外の敵だけでなく、自分の休めなさにも入り込む。
世界は語り手が向き合ったときには笑っていた。背を向けたあとで語られる話を探すのは、その表情が本当の態度を保証しないからだ。プレコーラスでも、最高だと言われた直後に、向きを変えると嫌われる。称賛と敵意は別の人々に分けられず、同じ相手の表と裏に置かれる。
サビの、誰もが敵になりたがるという強い声は、この落ち着けない視線から出る。敵と呼ぶ人が増えるほど、笑顔の前でも安心できなくなる。ここでの「enemy」は、はっきり対立を宣言した人だけでなく、こちらを見ているときと見ていないときで態度が変わる相手にも広がる。世界への不信が、一語に集まっている。
受け取った悪口を、マイクに入る言葉へ変える
二番には壁の言葉、廊下の笑い、自分につけられた呼び名が出る。敵意が形を持つ場所は、遠い抽象的な世界より、声が響く近い空間だ。語り手はそれを頭に積み上げる。忘れて済ませる動作ではなく、いくつもの言葉を持ったまま、別の時間を待っている。
待っているのは、それをマイクへ吐き出す時だ。周囲から与えられた呼び名を、自分が発する言葉へ変える。聞かされる側から、相手に聞かせる側へ立つ動きである。頭の中で巡り続けたものが、音として外へ出るため、最初の沈黙とは逆の力が生まれる。
JIDの部分では、追われる道から頂上、さらに惑星の外へと動きが大きくなる。相手が自分の進み方を狙うなら、その狙いを越える場所まで行こうとする勢いだ。競技の役割を次々に切り替える声にも、一つの位置へ押さえ込まれたくない力がある。最強かどうかを比べるより、すでに相手へ迫っていると歌う終わりに、反撃の現在が置かれる。
同情を断る声の中にも、祈ってほしい願いがある
サビは同情をいらないと断る。笑顔と敵意が入れ替わる世界では、優しく見える反応も簡単には信じられない。さらに覚悟ができていると続くため、語り手は弱い人として扱われる位置から出ようとする。攻める声は、自分を一方的に眺められる立場への拒否にもなっている。
それでもJIDの入口には、誰かが自分のために祈ることを願い、誰かが願うことを祈るという入れ替えがある。同情を断ることと、支えを求めないことは同じではない。感情がぼろぼろで、力も残っていないという声があるから、最後の強い攻めにも、その下で必要としているものが残る。
終わりは祈りの言葉へ戻るが、聖人にはならないと言い切る。苦しさを追い払っても、相手が望む無傷で善良な姿へ収まるとは約束しない。レーベル掲載の本人の説明も、自分さえ信じにくい世界での内面の葛藤へ触れている。曲の攻撃性を追うだけでは、支えを求める声と、その支えの中でも自分を手放したくない願いを聞き落としてしまう。

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