写真:Harald Krichel/Wikimedia Commons/CC BY-SA 4.0。変更:トリミング、リサイズ、彩度・コントラスト調整、紺色グラデーションと記事用文字の追加。改変後のカバーもCC BY-SA 4.0で提供します。写真に写るアーティストはDua Lipaです。当該楽曲の演奏記録や公式アートではありません。
親しげな電話も、ひざまずく謝罪も、もう戻る理由にはならない。「IDGAF」は、涙を流した時間を経て、相手との接点を切る歌だ。冷たく聞こえる拒絶の下には、すでに十分泣いたという過去がある。遅すぎる謝罪と、自分の先へ進んだ時間が、すれ違う。
歌詞と和訳
Verse 1
You call me all friendly
あなたは親しげに電話をかけてくる
Tellin' me how much you miss me
どれほど私が恋しいかなんて言いながら
That's funny, I guess you've heard my songs
笑える、私の歌を聞いたんでしょうね
Well, I'm too busy for your business
あなたの都合に付き合うほど暇じゃない
Go find a girl who wants to listen
聞いてくれる子をほかで探して
'Cause if you think I was born yesterday, you have got me wrong
私が何も知らない子どもだと思うなら、見当違いよ
Pre-Chorus
So I cut you off
だから、あなたを切り離した
I don't need your love
あなたの愛はいらない
'Cause I already cried enough
もう十分に泣いたから
I've been done
とっくに終わりにしてる
I've been movin' on since we said goodbye
さよならを言ってから、私は先へ進んでる
I cut you off
あなたを切り離した
I don't need your love
あなたの愛はいらない
So you can try all you want
だから好きなだけ試せばいい
Your time is up, I'll tell you why
あなたの時間は終わり、その理由を教えるわ
Chorus
You say you're sorry, but it's too late now
ごめんと言うけど、今さら遅い
So save it, get gone, shut up
言い訳はしまって、消えて、黙って
'Cause if you think I care about you now
今もあなたを気にしてると思うなら
Well, boy, I don't give a fuck
あんたなんか、知ったこっちゃない
Verse 2
I remember that weekend
あの週末を覚えてる
When my best friend caught you creepin'
私の親友があなたの浮気を見つけたとき
You blamed it all on the alcohol
あなたは全部、お酒のせいにした
So, I made my decision
だから、私は決めたの
'Cause you made your bed, sleep in it
自分で選んだことは、自分で引き受けて
Play the victim and switch your position
被害者ぶって、立場をすり替えても
I'm through, I'm done
私はもう終わり、これで終わり
Pre-Chorus
So I cut you off
だから、あなたを切り離した
I don't need your love
あなたの愛はいらない
'Cause I already cried enough
もう十分に泣いたから
I've been done
とっくに終わりにしてる
I've been movin' on since we said goodbye
さよならを言ってから、私は先へ進んでる
I cut you off
あなたを切り離した
I don't need your love
あなたの愛はいらない
So you can try all you want
だから好きなだけ試せばいい
Your time is up, I'll tell you why
あなたの時間は終わり、その理由を教えるわ
Chorus
You say you're sorry, but it's too late now
ごめんと言うけど、今さら遅い
So save it, get gone, shut up
言い訳はしまって、消えて、黙って
'Cause if you think I care about you now
今もあなたを気にしてると思うなら
Well, boy, I don't give a fuck
あんたなんか、知ったこっちゃない
Post-Chorus
I see you tryna get to me
私を動かそうとしてるのは見えてる
I see you beggin' on your knees
ひざまずいて頼むのも見えてる
Boy, I don't give a fuck
あんたなんか、知ったこっちゃない
So stop tryna get to me
だから私を動かそうとするのはやめて
Tch, get up off your knees
ちっ、ひざまずくのはやめなよ
'Cause, boy, I don't give a fuck
あんたなんか、知ったこっちゃないから
Bridge
About you
あなたのことなんて
No, I don't give a damn
そう、どうだっていい
You keep reminiscin' on when you were my man
私の恋人だったころのことばかり思い出してるのね
But I'm over you
でも、私はあなたを乗り越えた
Now you're all in the past
今のあなたは、全部過去の中
You talk all that sweet talk, but I ain't comin' back
いくら甘い言葉を並べても、私は戻らない
Pre-Chorus
Cut you off
あなたを切り離した
I don't need your love
あなたの愛はいらない
So you can try all you want
だから好きなだけ試せばいい
Your time is up, I'll tell you why
あなたの時間は終わり、その理由を教えるわ
I'll tell you why
その理由を教えるわ
Chorus
You say you're sorry, but it's too late now
ごめんと言うけど、今さら遅い
So save it, get gone, shut up
言い訳はしまって、消えて、黙って
(Too late now)
(今さら遅い)
'Cause if you think I care about you now
今もあなたを気にしてると思うなら
Well, boy, I don't give a fuck
あんたなんか、知ったこっちゃない
(Boy, I don't give a)
(あんたなんか、知った)
Post-Chorus
I see you tryna get to me
私を動かそうとしてるのは見えてる
I see you beggin' on your knees
ひざまずいて頼むのも見えてる
Boy, I don't give a fuck
あんたなんか、知ったこっちゃない
So stop tryna get to me (Get to me)
だから私を動かそうとするのはやめて(私を動かすのは)
Tch, get up off your knees
ちっ、ひざまずくのはやめなよ
'Cause, boy, I don't give a fuck
あんたなんか、知ったこっちゃないから
歌詞を深く読む
涙のあとにある拒絶は、冷たさだけではない
表題の略語が指す「I don't give a fuck」は、相手を気にかける気持ちはもう渡さないという、強い口調の拒絶だ。サビだけでは、初めから相手を大切にしていなかったようにも聞こえる。けれど、その前には十分に泣いたという行がある。拒絶は感情の欠如から出るのでなく、相手に向けた感情を使い切ったあとに現れる。
語り手は、いま決めようとしているのではなく、とっくに終わりにし、別れを告げた時点から先へ進んでいると話す。相手が親しげに電話をかけてくる現在と、語り手が関係を終えた時間にはずれがある。相手には続きを始める電話でも、語り手には終わったところへ引き戻す電話になる。
愛はいらないという言葉が繰り返されるのも、この時間差を閉じるためだ。相手がまだ可能性のある関係として扱うたびに、語り手はもう終わったと返す。語気の強さは傷つけ返すためだけでなく、柔らかな返事を復縁の余地へ読み替えられないためにも働く。十分に泣いたという過去があるから、ここではこれ以上の感情を相手に使わないことが強さになる。
遅い謝罪より、責任の置き場所が問われる
二番では親友が浮気を見つけた週末が具体的に示される。相手は行動をお酒のせいにした。語り手が覚えているのは裏切りだけでなく、そのあと責任を自分から外そうとした言葉だ。だから今の謝罪も、謝る形を取ればすべて戻せるという手続きとしては受け入れられない。
自分で作った「bed」で眠れという言い方は、自分の行動が作った状況に自分で向き合えという像になる。相手の代わりに痛みを引き受けたり、相手の言い訳に付き合ったりする役を、語り手は降りる。続く被害者ぶるという指摘は、責任を負う側から慰められる側へ立場を変えようとする相手を、そのままにはしない。
サビの、謝罪は遅すぎるという言葉は、謝罪そのものに意味がないという一般論ではない。この関係では、傷を受け止め、別れを決め、先へ進む時間がすでに過ぎている。謝る時点を相手が選んでも、その時点へ語り手の心を戻すことまではできない。謝罪を受け取る義務と、関係を再開する義務を一緒にしない境界が示される。
ひざまずく姿にも、甘い思い出にも戻らない
後半では、相手がひざまずいて頼む姿まで見えている。それでも、その姿を大きな愛情の証明として扱わず、立つように返す。相手がどれだけ低い位置を取り、弱い姿を見せても、その姿を慰めるために語り手が関係へ戻る必要はない。劇的な謝罪の場面に巻き込まれない態度が、接点を切るという前半の決意につながる。
ブリッジでは「past」が、相手のいる場所として示される。相手は恋人だったころを思い出し続けるが、語り手はもうその時間の外にいる。共有した思い出があることと、これからも共有しなくてはならないことは別だ。甘い言葉が過去の親密さを呼び戻しても、その言葉が未来の行き先を決めるわけではない。
一番の電話から最後のひざまずく姿まで、相手の接近は形を変えて続く。一方、語り手の返事は同じ拒絶へ戻る。反復は話が動かない停滞というより、相手の新しい働きかけにも同じ境界を保つ一貫性になる。歌の終わりでも相手を説得し終えたとは示されないが、自分が戻らないという答えは変わらない。

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