
雪、傷んだ肺、家賃、長い夜。「The A Team」は彼女の暮らしを短い断片で見せ、天使が飛ぶには外は冷たすぎると繰り返す。逃げるように飛べる場所と、実際には抜け出せない日々。その隔たりの中で、彼女を眺める声が、最後には私たちの声へ変わっていく。
歌詞と和訳
Verse 1
White lips, pale face
白い唇、青白い顔
Breathin' in the snowflakes
雪のかけらを吸い込んでいる。
Burnt lungs, sour taste
焼けた肺、酸っぱい後味
Light's gone, days end
明かりは消え、一日が終わる
Struggling to pay rent
家賃を払うのにも苦労している。
Long nights, strange men
長い夜、知らない男たち
Chorus
And they say
そして、人は言う
She's in the Class A Team
彼女はA級の薬物の輪の中にいる
Stuck in her daydream
白昼夢から抜け出せない。
Been this way since eighteen, but lately
18歳からずっとこうだった。でも、最近は様子が違う。
Her face seems
彼女の顔に、変化が見える。
Slowly sinking, wasting
少しずつ沈むように、やつれていく。
Crumbling like pastries
焼き菓子のように、崩れていく。
And they scream
そして、人は叫ぶ
"The worst things in life come free to us"
人生でいちばん悪いものは、ただでやってくる、と
Post-Chorus
'Cause we're just under the upper hand
だって、私たちは力を握る者の下にいるだけ
And go mad for a couple grams
たった数グラムに狂わされる。
And she don't wanna go outside tonight
彼女は今夜、外に出たくない
And in a pipe, she flies to the Motherland
パイプの中では、故郷へ飛んでいく
Or sells love to another man
あるいは、また別の男に愛を売る
It's too cold outside
外はあまりにも寒い
For angels to fly
天使が飛ぶには、冷たすぎる。
Angels to fly
天使たちが飛ぶには、冷たすぎる。
Verse 2
Ripped gloves, raincoat
破れた手袋、レインコート
Tried to swim and stay afloat
泳いで、沈まずにいようとしてきた
Dry house, wet clothes
乾いた家、濡れた服
Loose change, banknotes
小銭、紙幣
Weary-eyed, dry throat
疲れた目、乾いた喉
Call girl, no phone
客を取る女、電話はない
Chorus
And they say
そして、人は言う
She's in the Class A Team
彼女はA級の薬物の輪の中にいる
Stuck in her daydream
彼女は白昼夢に閉じ込められている。
Been this way since eighteen, but lately
18歳からこうして生きてきたけれど、最近は変わってきた。
Her face seems
その顔を見ていると、そう感じる。
Slowly sinking, wasting
ゆっくりと沈み、やつれていく。
Crumbling like pastries
ほろほろと崩れる焼き菓子のようだ。
And they scream
そして、人は叫ぶ
"The worst things in life come free to us"
人生でいちばん悪いものは、ただでやってくる、と
Post-Chorus
'Cause we're just under the upper hand
だって、私たちは力を握る者の下にいるだけ
And go mad for a couple grams
ほんの数グラムで、正気を失ってしまう。
But she don't wanna go outside tonight
でも彼女は今夜、外に出たくない
And in a pipe, she flies to the Motherland
パイプの中では、故郷へ飛んでいく
Or sells love to another man
あるいは、また別の男に愛を売る
It's too cold outside
外はあまりにも寒い
For angels to fly
天使たちが飛べないほどの寒さだ。
Bridge
An angel will die, covered in white
天使は死ぬだろう、白に包まれて
Closed eye and hopin' for a better life
目を閉じ、もっとよい暮らしを願っている。
This time, we'll fade out tonight
今夜、今度こそ私たちは消えていく
Straight down the line
そのまま、一直線に消えていく。
Chorus
And they say
そして、人は言う
She's in the Class A Team
彼女はA級の薬物の輪の中にいる
Stuck in her daydream
白昼夢から抜け出せない。
Been this way since eighteen, but lately
18歳からずっとこうだった。でも、最近は様子が違う。
Her face seems
彼女の顔に、変化が見える。
Slowly sinking, wasting
少しずつ沈むように、やつれていく。
Crumbling like pastries
焼き菓子のように、崩れていく。
And they scream
そして、人は叫ぶ
"The worst things in life come free to us"
人生でいちばん悪いものは、ただでやってくる、と
Post-Chorus
And we're all under the upper hand
そして、私たちはみんな、力を握る者の下にいる
And go mad for a couple grams
たった数グラムに狂わされる。
And we don't wanna go outside tonight
私たちは今夜、外に出たくない
And in a pipe, we fly to the Motherland
パイプの中では、故郷へ飛んでいく
Or sell love to another man
あるいは、また別の男に愛を売る
It's too cold outside
外はあまりにも寒い
For angels to fly
天使が飛ぶには、冷たすぎる。
Outro
Angels to fly
天使が飛び立つには、あまりに寒い。
Fly, fly
飛んでいく、飛んでいく。
For angels to fly
天使たちが飛べないほどの寒さだ。
To fly, to fly
飛び立とうと、飛び立とうとする。
Angels to die
天使たちは、死んでいく。
歌詞を深く読む
暮らしの断片が、彼女を呼ぶ名前より先に来る
一番は白い唇と青白い顔から始まり、肺と味、家賃と夜へ移る。人物の長い説明より先に、身体に現れている寒さや疲れ、暮らしを支える難しさが見える。短い断片は、原因をひとつずつ解説する余裕もない日々のように続く。誰なのかを名づける前に、いまどんな状態で生きているのかを聴き手へ渡す順序だ。
サビでは、人が彼女について言う声が前へ出て、「Class A」という名前がつく。英国で薬物を分類する言葉で、歌詞の数グラムやパイプにもつながる。けれど、その分類だけでは、最初に見た顔や家賃の苦しさまでは分からない。周囲が与えるひとつの名前と、その名前の中に収まり切らない具体的な暮らしが重なっている。
二番にも、破れた手袋、濡れた服、小銭、乾いた喉が並ぶ。泳いで沈まないようにしてきたという一節が、これらの断片を生き延びるための動きとしてつなぐ。白昼夢にとどまっている姿を見せるだけでなく、浮かんでいようとしてきた動きも残すことで、彼女はただ受け身の人にはならない。
飛べる場所と、飛べない冷たさが隣り合う
パイプの中では故郷へ飛ぶという一節に、遠くへ出られるイメージがある。しかし、その直前には今夜は外へ出たくないという声があり、直後にはまた別の男に愛を売る場面が来る。遠くへ飛ぶ動きは、実際の暮らしが変わった場面としては描かれない。近くにある日々の苦しさをひととき離れる動きと、そこへ戻る時間が隣り合う。
その最後に、天使が飛ぶには外が冷たすぎると歌う。パイプの中では飛べても、外では飛べない。寒さは雪や濡れた服の身体的な感覚を引き継ぎながら、彼女が抜け出しにくい環境の感触にもなる。天使という呼び名があるため、飛べない理由はその人に翼がないこと以上に、翼を広げる外の条件へ向く。
ただでやってくる最悪のものという言葉も、ここでは重い。暮らしを保つには家賃や小銭が必要で、逃避には数グラムが関わり、愛も売るものになっている。それでも傷むことや冷たさは、対価を払って選ばなくても来る。ただという言葉は、楽に手に入る恵みより、避けたくても受け取らされる苦しさへ重心を移す。
橋渡しの部分で、白に包まれた天使の死が見え、最後の反復も飛ぶことから死ぬことへ変わる。最初の白い唇や雪の白さが、終わりの白さへ残る。飛ぶという願いを繰り返したあと、その一語だけが変わるため、求めていた脱出の先に明るい未来が見えない痛みが強くなる。
彼女の話から、私たちの声へ変わる
サビの入口には、人は言う、人は叫ぶという外側の声がある。彼女はその声に説明され、分類される人として現れる。一方、サビの後には早くから、私たちは力を握る者の下にいると歌われる。語り手の声はずっと外から眺める位置に固定されず、自分たちも別の力に従わされる側だと認めている。
最後のサビの後では、外に出たくない人も、パイプの中で飛ぶ人も、愛を売る人も、彼女から私たちへ変わる。しかも、私たちはみんなという言葉が添えられる。同じ行をほぼ同じ順序で繰り返すから、主語の移り方が目立つ。さっきまで遠くに置けた暮らしが、こちら側の声へ入り込んでくる。
この変化は、全員が同じ経験をしているという事実の説明より、彼女だけを別の場所に置いて済ませない働きをする。周囲から貼られる名前ではなく、押さえつけられる感覚や、抜け出したい願いを共有する声へ移る。最後の天使の反復にも、その距離を縮めたあとで失われるものの重さが残る。

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