
必要なことは何でもすると歌いながら、語り手は他人に走らされる馬にも、自分で鎖を切る人にもなる。「Whatever It Takes」の前へ進む力には、外から押される苦しさと、自分を作り直す快感が重なる。成功を望む声の奥にある、ありふれた自分への恐れまで追うと、サビの強さが違って聞こえてくる。
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歌詞と和訳
Verse 1
Falling too fast to prepare for this
落ちるのが速すぎて、備える間もない
Tripping in the world could be dangerous
この世界でつまずくのは、危険かもしれない
Everybody circling is vulturous
周りを取り囲む人はみな、獲物を待つハゲタカみたい
Negative, nepotist
否定的で、身内びいき
Everybody waiting for the fall of man
誰もが、人の転落を待っている
Everybody praying for the end of times
誰もが、時代の終わりを祈っている
Everybody hoping they could be the one
誰もが、自分こそ選ばれる一人になりたい
I was born to run, I was born for this
僕は走るために生まれた、このために生まれた
Pre-Chorus
Whip, whip
鞭を打って、鞭を打って
Run me like a racehorse
競走馬みたいに、僕を走らせて
Pull me like a ripcord
パラシュートの引き綱みたいに、僕を引いて
Break me down and build me up
僕を壊して、また作り上げて
I wanna be the slip, slip
口をついてこぼれるものになりたい
Word upon your lip, lip
君の唇にのぼる言葉に
Letter that you rip, rip
君が破り捨てる手紙に
Break me down and build me up
壊してから、僕を作り直して
Chorus
Whatever it takes
何が必要でも
'Cause I love the adrenaline in my veins
血管を駆けるアドレナリンが好きだから
I do whatever it takes
必要なことは何だってする
'Cause I love how it feels when I break the chains
鎖を断ち切るときの感覚が好きだから
Whatever it takes
どんなことが必要でも
Yeah, take me to the top
そう、頂上まで連れていって
I'm ready for whatever it takes
必要なことなら何でも、覚悟はできている
'Cause I love the adrenaline in my veins
だって、血管を駆けるアドレナリンが好きなんだ
I do what it takes
必要なことをする
Verse 2
Always had a fear of being typical
いつも、ありふれた人になるのが怖かった
Looking at my body feeling miserable
自分の身体を見て、惨めになる
Always hanging on to the visual
いつも見た目にしがみついて
I wanna be invisible
見えない存在になりたい
Looking at my years like a martyrdom
これまでの年月を、殉教のように見ている
Everybody needs to be a part of 'em
誰もが、その一部にならなければならない
Never be enough, I'm the prodigal son
決して十分にはならない、僕は放蕩息子
I was born to run, I was born for this
僕は走るために生まれた、このために生まれた
Pre-Chorus
Whip, whip
鞭で打って、打って
Run me like a racehorse
競走馬みたいに、僕を走らせて
Pull me like a ripcord
パラシュートの引き綱みたいに、僕を引いて
Break me down and build me up
僕を壊して、また作り上げて
I wanna be the slip, slip
口をついてこぼれるものになりたい
Word upon your lip, lip
君の唇にのぼる言葉に
Letter that you rip, rip
君が破り捨てる手紙に
Break me down and build me up
壊してから、僕を作り直して
Chorus
Whatever it takes
必要なことが何であっても
'Cause I love the adrenaline in my veins
血管を駆けるアドレナリンが好きだから
I do whatever it takes
何だってする、必要なことなら
'Cause I love how it feels when I break the chains
鎖を断ち切るときの感覚が好きだから
Whatever it takes
何が必要でも
Yeah, take me to the top
そう、頂上まで連れていって
I'm ready for whatever it takes
何が必要でも、覚悟はできている
'Cause I love the adrenaline in my veins
だって、血管を駆けるアドレナリンが好きなんだ
I do what it takes
必要なことなら、やる
Bridge
Hypocritical, egotistical
偽善的で、自己中心的
Don't wanna be the parenthetical, hypothetical
括弧の中の余談や、仮定のままでいたくない
Working hard on something that I'm proud of, out of the box
型にはまらず、誇れるもののために懸命に働く
An epoxy to the world and the vision we've lost
世界と、失った展望をつなぐ接着剤として
I'm an apostrophe
僕はアポストロフィー
I'm just a symbol to remind you that there's more to see
もっと見るものがあると伝える、ただの記号
I'm just a product of the system, a catastrophe
僕はこの仕組みが生んだもの、災いのような存在
And yet a masterpiece, and yet I'm half-diseased
それでも傑作で、なお半分は病んでいる
And when I am deceased
そして、僕が死んだとき
At least I'll go down to the grave and die happily
せめて墓へ向かうときは、幸せに死んでいける
And leave the body and the soul to be a part of thee
身体と魂を残して、君の一部になれる
I do what it takes
必要なことはやる
Chorus
Whatever it takes
どんなことが必要でも
'Cause I love the adrenaline in my veins
血管を駆けるアドレナリンが好きだから
I do whatever it takes
必要なことなら、何でもやる
'Cause I love how it feels when I break the chains
鎖を断ち切るときの感覚が好きだから
Whatever it takes
必要なことが何であっても
Yeah, take me to the top
そう、頂上まで連れていって
I'm ready for whatever it takes
どんなことが必要でも、僕は覚悟している
'Cause I love the adrenaline in my veins
だって、血管を駆けるアドレナリンが好きなんだ
I do what it takes
必要なことをする
歌詞を深く読む
走らされる馬が、鎖を断ち切る人になる
一番は準備するより速く落ち、つまずけば危険だという場面から始まる。周囲は語り手の失敗を待つハゲタカのように描かれる。前へ進むことを、誰もが素直に応援する世界ではない。誰かの転落を、自分が選ばれる機会として待つ人々がいるという視線が、走るために生まれたという宣言の手前に置かれる。
プレコーラスでは、競走馬のように走らせてほしいと外へ頼む。鞭や引き綱のイメージは、語り手の動きを他の力が引き出す感触を持つ。壊してから作り上げるという反復にも、その激しい扱いが続く。成長を求める声の中に、競争のために自分が使われ、形を変えられる苦しさがある。
サビでは、その身体の動きが鎖を断つ感覚へ変わる。押されて走るだけだった人が、自分を縛るものを切る快感を語る。血管の中の高まりも、外から評価される結果より、自分の内側で感じる勢いとして出る。同じ激しさが支配にも解放にもなるため、必要なことは何でもするという声には、単純な我慢以上の引力が生まれる。
ありふれたくないのに、見えない存在になりたい
二番では、ありふれた人になることへの恐れを認める。抜きん出たい願いが、自分の身体を見て惨めになる場面へつながる。頂上へ行きたいというサビの上向きの力だけでは、語り手の内側を説明し切れない。誰にも見える自分の姿を、十分なものとして受け取れない苦しさがある。
見た目にしがみつくという声の直後に、見えなくなりたいという願いが置かれる。見ることと見られることが重要なのに、その視線から消えたい。特別な存在として認められることへの願いが、自分を測る目から逃れたい気持ちも生んでいる。この食い違いが、他人より上へ行けば解けるだけの悩みではないことを示す。
どれだけしても十分ではないという声も、二番の同じ流れにある。そこで走るために生まれたという宣言がもう一度戻ると、最初の自信だけでなく、止まれば自分の足りなさに向き合わなければならない切迫感も聞こえる。走る動作は自分の望む未来へ向かう力であり、今の自分から離れようとする力でもある。
小さな記号でも、まだ見えていないものを残したい
橋渡しの部分は、括弧の中の余談や、仮定のままでいたくないと歌う。大きなものの脇に置かれたり、実際には形にならなかったりする位置から出たい。誇れるものへ働きかけ、失った展望を世界につなぐという声が、その願いへ具体的な向きを与える。目立つだけでなく、何かを作り残すことが必要になる。
それでも自分を呼ぶのは「apostrophe」という小さな記号だ。大きな言葉そのものになったと誇るより、まだ見るものがあると相手へ知らせる印として立つ。見た目を気にして消えたいと言った人が、ここでは小さな姿でも、ほかの可能性へ視線を向ける働きを持ちたいと考えている。
自分は仕組みの産物で、災いでも、傑作でも、半分は病んでいるとも言う。矛盾する呼び名を一つに整理せず残すため、頂上に着けば完璧な自分になれるという終わりにはならない。不完全なままでも、誇れるものと身体や魂を残したい。その声を通ったあとで戻るサビには、完成した自分を待たずに動く覚悟が加わっている。

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