
Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)の楽曲「Happier Than Ever」の歌詞を和訳し、意味を読み解きます。離れていると幸せだという静かな声が、相手を拒む強い言葉へ変わる流れを読みます。
相手から離れていると、これまでで一番幸せだと言う。それでも、そうであってほしくないとも願う。「Happier Than Ever」の前半は、その説明を探す声だ。後半では、相手の行動と自分の怖さが具体的になり、時間を奪わないで、一人にしてという言葉へ進む。幸せを認めることから、その距離を守ることへ声が動く。
公式配信音源
歌詞と和訳
Part I — Chorus
When I'm away from you
あなたから離れていると、
I'm happier than ever
これまでで一番、幸せ。
Wish I could explain it better
もっとうまく説明できたらいいのに。
I wish it wasn't true
それが本当じゃなければいいのに。
Give me a day or two
一日か二日、時間をちょうだい。
To think of something clever
うまいことを考えるために。
To write myself a letter
自分へ手紙を書くために。
To tell me what to do, mm-mm
どうしたらいいか、自分へ伝えるために。
Part I — Verse
Do you read my interviews?
私のインタビューは読んでる?
Or do you skip my avenue? (Do you skip my avenue?)
それとも、私の通りは避けている?(私の通りを避けている?)
When you said you were passin' through (When you)
通りかかると言ったとき、(あなたが)
Was I even on your way?
その道に、私のところは入っていた?
I knew when I asked you to (When I asked you to)
あなたに頼んだとき、分かっていた。(あなたに頼んだとき)
Be cool about what I was tellin' you
私が伝えていたことを、冷静に受け止めてって。
You'd do the opposite of what you said you'd do (Do the oppositе, what you said you'd do)
言ったこととは、反対のことをするだろうって。(すると言ったこととは、反対のことを)
And I'd end up more afraid
それで私は、もっと怖くなるだろうって。
Don't say it isn't fair, you clearly wеren't aware
不公平だなんて言わないで。あなたには明らかに分かっていなかった。
That you made me miserable
私を惨めにしていたことが。
So if you really wanna know
だから、本当に知りたいなら、
Part I — Chorus
When I'm away from you (When I'm away from you)
あなたから離れていると、(離れていると)
I'm happier than ever (Happier than ever)
これまでで一番、幸せ。(これまでで一番、幸せ)
Wish I could explain it better (Wish I could explain it better)
もっとうまく説明できたらいいのに。(もっとうまく説明できたらいいのに)
I wish it wasn't true, mm-mm (I wish it wasn't true)
それが本当じゃなければいいのに。(本当じゃなければいいのに)
Part II — Verse
You call me again, drunk in your Benz
また電話してくる。ベンツの中で酔って、
Drivin' home under the influence
酒に酔ったまま、家へ運転して帰る。
You scared me to death, but I'm wastin' my breath
死ぬほど怖かった。でも、話すだけ無駄。
'Cause you only listen to your fuckin' friends
だって、友達の言うことしか聞きやがらないから。
I don't relate to you
あなたには、共感できない。
I don't relate to you, no
あなたには、共感できない。できない。
'Cause I'd never treat me this shitty
私なら、自分をこんなにひどく扱わないから。
You made me hate this city
あなたのせいで、この街が嫌いになった。
And I don't talk shit about you on the internet
ネットであなたの悪口を言ったりしない。
Never told anyone anything bad
誰にも、悪いことは何も言わなかった。
'Cause that shit's embarrassing, you were my everything
だって、恥ずかしいから。あなたは私のすべてだった。
And all that you did was make me fuckin' sad
あなたがしたのは、私をひどく悲しくすることだけ。
So don't waste the time I don't have
だから、余裕のない私の時間を無駄にしないで。
And don't try to make me feel bad
私を嫌な気持ちにさせようとしないで。
I could talk about every time that you showed up on time
あなたが時間どおりに来たときのことを、全部話すこともできる。
But I'd have an empty line 'cause you never did
でも、何も書けない。そんなことは一度もなかったから。
Never paid any mind to my mother or friends, so I
私の母や友達を気にかけることもなかった。だから私は、
Shut 'em all out for you 'cause I was a kid
あなたのために、みんなを遠ざけた。私は子どもだったから。
You ruined everything good
いいものを全部、あなたは台無しにした。
Always said you were misunderstood
いつも、誤解されていると言っていた。
Made all my moments your own
私のすべての瞬間を、自分のものにした。
Just fuckin' leave me alone, woah, yeah
もう、私を一人にして。そう。
Part II — Outro
(Fuck you)
(ふざけんな)
(Leave me alone, yeah)
(一人にして、そう)
(Ah)
(Goddamn)
(くそ)
(Okay, okay, okay, ah)
(分かった、分かった、分かった)
(Fuck you)
(ふざけんな)
(Fuck you)
(ふざけんな)
歌詞を深く読む
離れると幸せなのに、そうであってほしくない
Part Iの最初は、相手から離れているとこれまでで一番幸せだと言う。そのすぐ後に、それが本当でなければよいとも願う。離れた幸せを見つけた声は、最初から迷いなく相手を手放した声にはならない。自分の感覚と、そうであってほしい願いが一致しない。
一日か二日の時間を求め、自分へ手紙を書いてどうすればよいか伝えたいと言う。相手を変える方法をすぐに並べるより、自分が何をするかを自分へ向けて考える。うまく説明できない気持ちを、まず言葉にする時間がある。
前半のサビは、この幸せと本当ではあってほしくない願いをもう一度重ねる。その二つを残したまま後半へ進むため、次に現れる怒りは、初めの幸せだけを繰り返すものではない。説明し切れなかった感覚へ、行動や記憶の言葉が入ってくる。
怖さを聞かない相手に「共感できない」と返す
Part IIでは、酔って運転する相手からまた電話が来る。語り手は死ぬほど怖かったと言うが、話しても無駄だと続ける。恐れを伝えても相手が聞くのは友達だけという声が、前半のもっと怖くなると予想した行へ重なる。
続く共感できないという反復には、自分なら自分をそんなふうには扱わないという理由がある。相手の気持ちを知らないからだけではなく、扱われ方を自分の行為と比べる。相手を理解するために自分の感覚を引き下げることを、ここではやめる。
ネットで悪口を言わず、誰にも悪いことを言わなかったという行の理由は、相手がすべてだったための恥ずかしさだ。黙っていたことを平気だった証にしない。相手へ与えた大きさと、その相手から受けた悲しさの差が、今の声を強くする。
奪われた時間と人間関係を、自分へ取り戻す
時間どおりに来たことを話せると言いながら、そんなことは一度もなく、行は空になると続ける。語れるはずの記憶を出す形が、その記憶のなさへ変わる。時間を守らなかった相手と、無駄にしたくない自分の時間が、ここで重なる。
母や友達に相手が関心を持たず、自分はその人たちを遠ざけたとも言う。相手との近さを守るために、自分の周りの近さが失われていた。自分は子どもだったという言葉は、そのときの選択を今の声から振り返るものになる。
最後は、相手が自分のすべての瞬間を相手自身のものにしたという行から、一人にしてという声へ進む。これは最初の離れていると幸せという認識を、その距離を保ちたい要求へ変える。繰り返す「一人にして」という要求は、相手の都合に自分の時間を渡さないための境界になる。
参照
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