Carly Rae Jepsen「LA Hallucinations」和訳と深読み|黄金のカップを買い物では満たせない

Carly Rae Jepsen「LA Hallucinations」歌詞解釈カバー。黄金のカップを買い物では満たせない
写真:Greg2600/Wikimedia Commons(CC BY-SA 2.0)。写真を基にAI支援で背景・構図・文字を編集。加工画像もCC BY-SA 2.0。

飛行機を乗り継ぎ、カードを切って買い物をしても、心は満たされない。「LA Hallucinations」は、華やかな暮らしの中で相手との近さを見失い、もう一度その腕の中へ戻ろうとする歌だ。黄金のカップにある小さなブラックホールが、手に入る物の多さと、満たされなさを同じ像にする。

目次

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歌詞と和訳

Verse 1

I remember being naked

裸でいた頃を覚えている。

We were young freaks just fresh to L.A.​

私たちは若くて変わり者で、LAに来たばかりだった。

Never cared about the fake kids

うわべだけの連中なんて気にしなかった。

We would write and sing and wear whatever

書いて、歌って、着たいものを着ていた。

Pre-Chorus

But money makes your whole world spin

でもお金は君の世界をぐるぐる回す、

Till everything is dizzying

何もかもに目がくらむまで。

And suddenly

そして気づけば、

Chorus

Planes, I’m hopping; cards, I’m dropping

飛行機を乗り継ぎ、カードを切って。

No shop can fill me up

どんな店も私を満たせない。

There’s a little black hole in my golden cup, so

黄金のカップには小さなブラックホールがあるから、

You pour and I’ll say stop

君が注いで。私が止めてと言うから。

Planes, I’m hopping; cards, I’m dropping

飛行機を乗り継ぎ、カードを切って。

No shop can fill me up

どんな店に行っても満たされない。

There’s a little black hole in my golden cup, so

私の黄金のカップには小さなブラックホールがあるから、

You pour and I’ll say stop

注いでいて。もういいと言うまで。

So take me into your arms again

だからもう一度その腕に抱いて、

And shake me from L.A. hallucinations

LAの幻覚から揺さぶり覚まして。

Verse 2

Haven’t seen the boy in ages

あの彼にはずいぶん会っていない。

Used to stay up all night, he and I

昔は二人で夜通し起きていた。

Filling up each other’s pages

互いのページを埋め合いながら。

But the teeth come out when the camera flashes

でもカメラが光ると歯がむき出しになる。

Pre-Chorus

We said we’d always be the same

私たちはずっと変わらないと言った。

But we lost each other in the game

けれどこの競争の中で互いを見失った。

And suddenly

そして気づけば、

Chorus

Planes, I’m hopping; cards, I’m dropping

飛行機を乗り継ぎ、カードを切って。

No shop can fill me up

どんな店も私を満たせない。

There’s a little black hole in my golden cup, so

黄金のカップには小さなブラックホールがあるから、

You pour and I’ll say stop

君が注いで。私が止めてと言うから。

Planes, I’m hopping; cards, I’m dropping

飛行機を乗り継ぎ、カードを切って。

No shop can fill me up

どんな店に行っても満たされない。

There’s a little black hole in my golden cup, so

私の黄金のカップには小さなブラックホールがあるから、

You pour and I’ll say stop

注いでいて。もういいと言うまで。

So take me into your arms again

だからもう一度その腕に抱いて、

And shake me from L.A. hallucinations

LAの幻覚から揺さぶり覚まして。

Bridge

BuzzFeed buzzards and TMZ crows

BuzzFeedのハゲタカ、TMZのカラス。

What can I say that you don’t already know?

君たちがまだ知らないことなんて何を言えばいい?

BuzzFeed buzzards and TMZ crows

BuzzFeedのハゲタカ、TMZのカラス。

If I just lie here, will you let me go?

ここでただ横になっていれば放っておいてくれる?

Chorus

Planes, I’m hopping; cards, I’m dropping

飛行機を乗り継ぎ、カードを切って。

No shop can fill me up

どんな店も私を満たせない。

There’s a little black hole in my golden cup, so

黄金のカップには小さなブラックホールがあるから、

You pour and I’ll say stop

君が注いで。私が止めてと言うから。

Planes, I’m hopping; cards, I’m dropping

飛行機を乗り継ぎ、カードを切って。

No shop can fill me up

どんな店に行っても満たされない。

There’s a little black hole in my golden cup, so

私の黄金のカップには小さなブラックホールがあるから、

You pour and I’ll say stop

注いでいて。もういいと言うまで。

So take me into your arms again

だからもう一度その腕に抱いて、

And shake me from L.A. hallucinations

LAの幻覚から揺さぶり覚まして。

Outro

Take me (BuzzFeed buzzards and TMZ crows)

抱いてよ。(BuzzFeedのハゲタカ、TMZのカラス)

Into your arms again (What can I say that you don’t already know?)

もう一度その腕に。(君たちがまだ知らないことなんて何を言えばいい?)

And shake me (BuzzFeed buzzards and TMZ crows)

そして揺さぶり覚まして、(BuzzFeedのハゲタカ、TMZのカラス)

From L.A. hallucinations (If I just lie here, will you let me go?)

LAの幻覚から。(ここでただ横になっていれば放っておいてくれる?)

Take me (BuzzFeed buzzards and TMZ crows)

抱いてよ。(BuzzFeedのハゲタカ、TMZのカラス)

Into your arms again (What can I say that you don’t already know?)

もう一度その腕に。(君たちがまだ知らないことなんて何を言えばいい?)

And shake me

そして揺さぶり覚まして、

From L.A. hallucinations

LAの幻覚から。

歌詞を深く読む

黄金のカップには満たされない場所がある

サビでは、飛行機に乗り、カードを使う動きの後に、どんな店も自分を満たせないという言葉が来る。物を買う行為と、自分の内側を満たすことが「fill」のところで重なる。次の黄金のカップは、高価な物を持っているのに十分だと感じられない、そのずれを受け止める像だ。

そのカップの中にあるのは「little black hole」、小さなブラックホールだ。黄金の華やかさの内側に、注いでも満ちない暗い場所がある。外から見える豊かさと、内側で感じる欠落が同じ器に入り込む。だから買う量を増やせば解決するという流れにはならず、どんな店も満たせないという一行へ何度も戻る。

そこで呼びかけられる相手には、君が注いで、私が止めてと言うからと頼む。どの店でも埋まらなかったものを、ここでは一人の相手に委ねようとする。その後には、もう一度その腕に抱いてという願いが来る。買い物で満たす動きから、抱いてもらう近さへ、求めるものが移っていく。

互いのページを埋めた時間からカメラの前へ

冒頭で思い出す二人は、LAへ来たばかりの若い変わり者だ。書きたいものを書き、歌い、着たいものを着て、うわべだけの人々を気にしなかった。裸だったという一行には、その飾らなさも重なる。けれど、お金が世界を回し、何もかもに目がくらむという展開が、その自由だった時間を切り替える。

二番では、二人で夜通し互いのページを埋めていた時間を思い出す。サビで店には自分を満たせないと歌うことに対し、以前は相手のページを埋め合っていた。何を得るかより、互いに何を差し出せるかで続いていた近さが、同じ満たすという動きの反対側に置かれる。

その回想を切るのが、カメラの光と、むき出しになる歯だ。写真のために歯を見せる笑顔を思わせながら、歯をむくという像には険しさも残る。誰かに見られる瞬間に、相手と過ごすときの姿が変わってしまう。ずっと同じでいようと言った二人が、競争の中で互いを見失ったという次の言葉へ、カメラの前の変化がつながる。

抱かれたい声の後ろで鳥の声が消えない

ブリッジの「BuzzFeed buzzards」は、媒体名とハゲタカを思わせる言葉を音で近づける。その隣ではTMZがカラスになる。語り手の周りへ集まってくるものが、ここでは人間の名前より鳥の像を帯びる。続く、君たちがまだ知らないことは何を話せばよいのかという問いには、自分の話を自分より先に知っている相手への疲れが響く。

もう一つの問いは、ただ横になっていれば放っておいてくれるか、というものだ。目立つことをやめても、自分に向かう視線から離れられるのか。何を話せるかという問いから、何もしないでいられるかという問いへ変わることで、取られているのは情報だけでなく、静かに過ごす余地でもあると見えてくる。

終わりでは、もう一度抱いて、幻覚から覚ましてという主な声の括弧内に、鳥の名と二つの問いが重なる。相手の腕を求める声に、外からの視線を気にする声が同時に残る。LAの華やかさからすっかり抜け出した結末へ進むのではなく、そこから覚めるための近さを最後まで求め続ける。

Carly Rae Jepsen(カーリー・レイ・ジェプセン)の和訳一覧 / Warm Bloodの和訳・深読み

出典

LA Hallucinations:歌詞の出典

ユニバーサル ミュージック:エモーションの曲目

Merriam-Webster:buzzard

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