
The Weekndの「Wicked Games」では、語り手が自分の恥や痛みを、相手の愛や身体と交換するもののように差し出します。愛されていないと分かっていても、今夜だけは愛していると言ってほしい。強気に持ち物を並べる声の下に、自分を支える言葉への渇きがあります。
歌詞・和訳
歌詞と和訳
Intro
Woah, woah, ehh
Verse 1
I left my girl back home
彼女を家に残してきた
I don't love her no more
もう彼女を愛していない
And she'll never fucking know that
それを彼女が知ることなんて、絶対にない
These fucking eyes that I'm staring at
今、僕がじっと見つめているこの目
Let me see that ass
その尻を見せてくれ
Look at all this cash
この金を全部見てくれ
And I emptied out my cards too
カードも全部使い切った
Now I'm fucking leaning on that
今は、それにすがりついてる
Pre-Chorus
Bring your love, baby, I could bring my shame
君の愛を持ってきて、ねえ、僕は自分の恥を持っていける
Bring the drugs, baby, I could bring my pain
ドラッグを持ってきて、ねえ、僕は自分の痛みを持っていける
I got my heart right here
僕の心は、ここにある
I got my scars right here
僕の傷跡は、ここにある
Bring the cups, baby, I could bring the drank
カップを持ってきて、ねえ、僕は飲み物を持っていける
Bring your body, baby, I could bring you fame
君の身体を持ってきて、ねえ、僕は君に名声を与えられる
And that's my motherfucking words too
これは僕の、まじで本気の言葉だ
Just let me motherfucking love you
頼むから、君を愛させてくれ
Chorus
Listen, ma, I'll give you all I got
聞いてくれ、ねえ、持っているものを全部君にあげる
Get me off of this, I need confidence in myself (Yeah, yeah, yeah, ohh, yeah)
この状態から抜け出させてくれ。自分への自信が必要なんだ
Ohh, listen, ma, I'll give you all of me
聞いてくれ、ねえ、僕のすべてを君にあげる
Give me all of it, I need all of it to myself (Woah, woah)
全部僕にくれ。全部、僕だけのものにしたいんだ
So tell me you love me
だから、愛してると言ってくれ
(Only for tonight, only for the night)
(今夜だけ、今夜だけでいい)
Even though you don't love me (Ohh, ohh)
君が僕を愛していなくても
Just tell me you love me
ただ、愛してると言ってくれ
(I'll give you what I need, I'll give you all of me) (Oh, oh, yeah)
(僕に必要なものを君へ渡す、僕のすべてを君へ渡す)
Even though you don't love me (Ohh, yeah, yeah, ohh, yeah, yeah)
僕を愛していなくたって
Verse 2
Let me see you dance
君が踊るところを見せてくれ
I love to watch you dance
君が踊るのを見るのが好きなんだ
Take you down another level
君をもう一段、深いところへ連れていく
And get you dancing with the Devil
そして悪魔と踊らせる
Take a shot of this
これを一杯飲んで
But I'm warning you
でも、警告しておくよ
I'm on that shit that you can't smell, baby
僕は匂いじゃ分からないものをキメてるんだ、ねえ
So, put down your perfume
だから、香水は置いて
Pre-Chorus
Bring your love, baby, I could bring my shame
ねえ、君の愛を持ってきて。僕は自分の恥を持っていける
Bring the drugs, baby, I could bring my pain
ねえ、ドラッグを持ってきて。僕は自分の痛みを持っていける
Oh, I got my heart right here
僕の心は、ここにある
Oh, I got my scars right here
僕の傷跡も、ここにある
Bring the cups, baby, I could bring the drank
ねえ、カップを持ってきて。僕は飲み物を持っていける
Bring your body, baby, I could bring you fame
ねえ、君の身体を持ってきて。僕は君に名声を与えられる
And that's my motherfucking words too, ayy
これは僕の、まじで本気の言葉だ
So let me motherfucking love you
だから頼む、君を愛させてくれ
Chorus
Listen, ma, I'll give you all I got
聞いてくれ、ねえ、持っているものをすべて君にあげる
Get me off of this (off of this), I need confidence (confidence) in myself (Ooh, eh, ehh)
この状態から抜け出させてくれ(この状態から)。自分への自信が(自信が)必要なんだ
Listen, ma, I'll give you all of me (Ooh)
聞いてくれ、ねえ、君に僕のすべてを渡す
Give me all of it, I need all of it to myself (I need all of it)
全部僕にくれ、全部僕だけのものにしたいんだ(全部が必要なんだ)
So tell me you love me, yeah
だから、愛していると言ってくれ
(Only for tonight, only for the night)
(今夜だけ、今夜だけでいい)
Even though you don't love me (Ohh, ohh)
君が僕を愛していなくても
Just tell me you love me
ただ、僕を愛してると言ってくれ
(I'll give you what I need, I'll give you all of me)
(僕が必要としているものを君にあげる、僕のすべてを君にあげる)
Even though you don't love me (Ohh, ohh)
僕を愛していなくたって
Ohh
歌詞を深く読む
持ち物を誇る声が、恥と傷跡まで差し出す
冒頭では家に残した彼女をもう愛していないと言い、そのことを彼女は知ることがないと続けます。恋が終わったと二人で確認した場面ではありません。本人の心の変化と、相手が知っている関係が食い違ったまま、語り手は別の目を見つめ、身体と金へ話を移します。最初から、この夜の親密さには知らされない人の存在が残っています。
現金と使い切ったカードは、相手を引きつけるための強気な提示に見えます。しかし、すがっているという次の声や、自信が必要だというサビが、その強さを裏側から支えます。持ち物を見せるのは、自分自身だけでは足りないと感じる場所を埋める動きにもなる。金があることと、自分に確信があることは一致していません。
プレコーラスの交換も、釣り合いが取れていません。相手の愛に対して自分の恥を、ドラッグに対して痛みを差し出し、身体には名声を約束します。自分の暗いものを隠さず持っていく一方で、それを受け取ってもらう代価を探している。心と傷跡が同じ「ここ」にあるという言葉が、語り手の愛から傷を取り除けないことを示します。
抜け出したいのに、相手をさらに深いところへ誘う
サビでは、この状態から抜け出させてくれと求め、自分への自信が必要だと口にします。現金を誇った声が、ここでは一人で自分を支えられないことを相手へ明かす。愛、痛み、酔い、持ち物が絡む夜の中で、相手への要求は恋人になってほしいだけでなく、自分の不足を埋めてほしいものになっています。
ところが二番では、相手をもう一段深いところへ連れていき、悪魔と踊らせると言います。自分は抜け出したいのに、相手には降りる方向を示す。同じ夜を共にすることが、互いを軽くするとは限りません。魅力的に誘う声と、危うい場所へ巻き込む声が分かれず続くため、この誘いは救いの約束としてだけは聞けないのです。
警告しておくという発言にも、その二重性があります。匂いでは分からないものを使っていると言い、香水を置くよう求める。目の前の体に近づきたいという誘いの中へ、外側に漂う香りだけでは捉えられない状態が入り込む。危うさを隠して安心させるのではなく、それを見せながら相手を同じ夜へ招いています。
本当の愛がなくても、言葉だけは今夜ほしい
この曲のいちばん痛い要求は、愛していないとしても愛していると言ってほしい、というものです。相手の気持ちを誤解して安心しているのではありません。愛がないことを織り込んだ上で、その言葉を求める。事実を変えてほしい願いと違い、嘘だと知っている言葉でも今の自分には必要だという、自覚のある切実さがあります。
今夜だけという括弧の声は、要求の大きさを時間の上では小さくします。しかし、同時に全部をくれ、全部自分だけのものにしたいという言葉も鳴る。一晩という短い期限と、すべてという大きな量が釣り合っていません。長い関係を引き受ける約束がないまま、今この瞬間の不足を、相手の全部で埋めようとするのです。
自分のすべてを渡すと言いながら、必要なものを相手に渡すという声まで混じります。与えることと求めることの境界が崩れ、相手のための愛なのか、自分を保つための愛なのかが分かれなくなる。最後まで返ってくる愛していなくてもという言葉は、甘い親密さの下にその限界を残します。今夜を支える声が、明日の関係を確かなものにはしていません。

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