
Coldplay の「Clocks」では、流れに逆らおうとした僕が膝をつき、迫る壁と刻む時計の中で君に呼びかけます。自分は癒やす側なのか、それとも傷を広げる側なのか。答えの定まらない問いの間に、君なんだという短い声だけが残る。最後に繰り返される帰る場所という言葉が、その呼びかけに行き先を与えます。
目次
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歌詞と和訳
Piano Refrain
Verse 1
The lights go out, and I can’t be saved
明かりが消えて、僕はもう救われない
Tides that I tried to swim against
逆らって泳ごうとした潮の流れが
Have brought me down upon my knees
僕を打ちのめし、膝をつかせた
Oh, I beg, I beg and plead, singin’
僕は頼み、頼み、懇願する 歌いながら
Come out of things unsaid
言わずにいたことの中から出てきて
Shoot an apple off my head, and a
僕の頭に載ったリンゴを射落として そして
Trouble that can’t be named
名前をつけられない厄介事
A tiger’s waitin’ to be tamed, singin’
トラが、飼い慣らされるのを待っている 歌いながら
Chorus
You are
君なんだ
You are
君なんだ
Piano Refrain
Verse 2
Confusion never stops
混乱はいつまでも止まらない
Closin’ walls and tickin’ clocks, gonna
壁は迫り、時計は時を刻む 僕は
Come back and take you home
戻って、君を帰る場所へ連れていく
I could not stop, that you now know, singin’
僕は止まれなかった 君はもうそれを知っている 歌いながら
Come out upon my seas
僕の海の上へ出てきて
Cursed missed opportunities, am I
逃した機会を呪う 僕は
A part of the cure
癒やしの一部なのか
Or am I part of the disease? Singin’
それとも病の一部なのか? 歌いながら
Chorus
You are
君なんだ
You are
君なんだ
You are
君なんだ
You are
君なんだ
Instrumental Break
Chorus
You are
君なんだ
You are
君なんだ
Bridge
And nothin’ else compares
ほかの何も、比べものにならない
Oh, nothin’ else compares
ほかの何も、比べものにならない
And nothin’ else compares
ほかの何も、比べものにならない
Piano Refrain
Chorus
You are
君なんだ
You are
君なんだ
Outro
Home, home, where I wanted to go
帰る場所、帰る場所 僕が行きたかった場所
Home, home, where I wanted to go
帰る場所、帰る場所 僕が行きたかった場所
Home (You are) home, where I wanted to go
帰る場所(君なんだ)、帰る場所 僕が行きたかった場所
Home (You are) home, where I wanted to go
帰る場所(君なんだ)、帰る場所 僕が行きたかった場所
歌詞を深く読む
潮に逆らえない僕が、君に危うい助けを求める
冒頭では、明かりが消え、救われないという声に、逆らって泳いだ潮が重なります。流れに向かって何もしなかったのではなく、抵抗した結果として膝をつく。その直後に頼み、懇願する声が来るため、呼びかけは余裕のある誘いではありません。自分だけでは立て直せない場所から届く声です。
頭の上のリンゴを射落としてという願いは、助けてほしい相手に危険なほど正確な動作を求めます。的が僕から離れたところにあるのではなく、僕の頭の上にある。頼ることと、自分を相手の手に委ねることが、同じ一枚の像になります。君を求める声の中に、安心だけでなく危うさも残るのです。
言わずにいたこと、名前をつけられない厄介事、まだ飼い慣らされていないトラが続きます。問題を説明して片づける言葉より、言葉にされないものと制御できないものの像が先にある。何に苦しんでいるかを明瞭に話し終えられないまま、僕は君に出てきてほしいと呼びかけます。
壁と時計に追われながら、自分も病の一部なのかと問う
二番では、混乱が止まらないところへ、迫る壁と刻む時計が現れます。壁は使える空間を狭め、時計は過ぎていく時間を知らせる。逃げ場と猶予が同時に減っていく像です。最初の潮の流れに続いて、ここでも僕の都合で周囲の動きを止めることはできません。
その中で、戻って君を帰る場所へ連れていくという言葉を口にする。それでも、僕は止まれなかったという告白と、逃した機会への言葉が後に続きます。相手を連れ帰ろうとする声の隣に、自分の行動を振り返る声があるため、僕を頼もしい救い手の位置に固定できません。
自分は癒やしの一部なのか、それとも病の一部なのかという問いが、その不安をはっきりさせます。苦しみは外から来るものだと決めず、自分もその苦しみを作っていないかと問う。助けを求めていた僕が、君との関係に自分は何をもたらしているのかまで見つめる場面です。
君なんだという声に、最後の帰る場所が重なる
サビの呼びかけは、君が何なのかを長く説明しません。君なんだという短い声を繰り返す。名前をつけられないものや、自分がどちらの側なのか分からない問いが周囲にある中で、声の向かう相手だけは君に定まっています。説明できないことの多さと、呼びかけの迷いのなさが並びます。
終盤では、ほかの何も比べものにならないと三度歌います。比較の基準や、君を選ぶ理由の一覧は示しません。前の問いに論理的な答えを出す代わりに、相手をほかのものに置き換えられないという声が反復を支えます。
最後に初めて、僕が行きたかった場所として帰る場所が繰り返されます。しかも、その言葉の間には君なんだという声が入り込む。実際に家へ着いた場面は描かれませんが、僕が向かいたかった場所と君への呼びかけが重なる。迫る壁や時計の中で続いてきた声が、終わりに一つの行き先を持つのです。
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