
Coldplay の「Trouble」は、クモの巣に絡まった僕が、自分の言葉と行動を思い返す曲です。君を困らせ、傷つけるつもりはなかったと繰り返す。それでも、逃げようとしても体をひねっても、僕は巣の真ん中にいる。最後に誰かが僕のために巣を張ったと言う声が、反省と囚われた感覚を重ねます。
目次
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歌詞と和訳
Verse 1
Oh no, I see
まずい、見えてきた
A spiderweb is tangled up with me
クモの巣が僕に絡みついている
And I lost my head
我を忘れて
And thought of all the stupid things I’d said
口にしたばかな言葉を、全部思い返した
Verse 2
Oh no, what’s this?
まずい、これは何?
A spiderweb, and I’m caught in the middle
クモの巣だ 僕はその真ん中に捕まっている
So I turned to run
だから逃げようと向きを変えて
And thought of all the stupid things I’d done
してしまったばかなことを、全部思い返した
Chorus
And I, I never meant to cause you trouble
僕は、君を困らせるつもりはなかった
And I, I never meant to do you wrong
君にひどいことをするつもりなんかなかった
And I, well, if I ever caused you trouble
もし僕が、君を困らせたのなら
And oh no, I never meant to do you harm
いや、君を傷つけるつもりはなかったんだ
Verse 3
Oh no, I see
まずい、見えてきた
A spiderweb, and it’s me in the middle
クモの巣だ その真ん中にいるのは僕
So I twist and turn
だから体をひねり、向きを変える
But here am I in my little bubble
でも、僕はこの小さな泡の中にいる
Chorus
Singin’ that I, I never meant to cause you trouble
歌っている 君を困らせるつもりはなかったと
And I, I never meant to do you wrong
君にひどいことをするつもりなんかなかった
And I, well, if I ever caused you trouble
もし僕が、君を困らせたのなら
And oh no, I never meant to do you harm
いや、君を傷つけるつもりはなかったんだ
Outro
They spun a web for me
あの人たちは、僕のために巣を張った
And they spun a web for me
僕のために、あの人たちが糸を張った
And they spun a web for me
あの人たちは、僕のために巣を張った
歌詞を深く読む
クモの巣の中で、言ったこととしてしまったことを思い返す
最初のクモの巣は、僕に絡みついています。次には、僕がその真ん中に捕まっていると歌う。外から眺める巣ではなく、自分の体の動きを妨げる糸です。まずいと気づく声が繰り返されるたび、僕と巣の距離がなくなっていきます。
最初に思い返すのは、口にしたばかな言葉です。次に、逃げようと向きを変えた後で、してしまったばかなことを振り返る。言葉だけの失敗から、行動にも目が向く順番です。巣の糸の一本一本を、自分が残してしまったもののように感じさせる並びになっています。
後半の僕は、体をひねって向きを変えますが、まだ巣の真ん中にいます。逃げようと動くこと自体はできても、そこから離れる距離が生まれません。自分の小さな泡の中にいるという像も加わり、周囲とつながる糸と、自分を閉じ込める薄い膜が、同じ僕の位置を描きます。
傷つけるつもりはなかったと言っても、巣の外には出ない
サビで否定するのは、君を困らせ、ひどいことをし、傷つける「つもり」です。実際に何も起こらなかったと言うのではなく、自分がそうしたかったわけではないと伝える。その前には、言ってしまったこと、してしまったことを思い返す節があるため、意図の否定だけで、出来事まで消えるわけではありません。
さらに、もし君を困らせたのなら、という条件を挟み、もう一度、傷つけるつもりはなかったと続けます。自分の気持ちは言い切れても、君が受けたものを僕の言葉だけでは決められない。その差が、謝ろうとする声を滑らかな解決へ進ませず、同じ言葉の周囲へ戻します。
二度目のサビでは、その声が巣の中で歌っている言葉として現れます。言葉を発する場面の外で、関係が修復されたとは描かれません。君に届いてほしい説明を繰り返しながら、僕自身はまだ動けない。意図を伝えることと、絡まった関係から抜け出すことが別のまま残ります。
最後のあの人たちは、糸を張る側へ視線を動かす
最後の三行では、糸を張った主語が「あの人たち」になります。それまで中心にいたのは、思い返し、逃げようとし、ひねる僕でした。終わりに、巣を作る側の動作が現れることで、僕の位置をめぐる視線が外へ向きます。
誰なのか、何のために張ったのかは名前で説明されません。歌詞に残るのは、僕のために張られた巣だという同じ声です。前の節で自分の過ちを振り返っていた僕が、ここでは自分に向けられた仕組みの中にいると語る。自分のしたことへの視線と、外から囚われたという感覚が並びます。
糸をほどいたり、誰かを指して決着をつけたりする場面はありません。最後まで、僕のために張られたという言葉を反復する。傷つけたくはなかったという声を持ちながら、自分も巣の中にいるという感覚を離せない。その重なりが、この曲を一度の謝罪で閉じないものにしています。
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