
Coldplay の「Paradise」は、世界に期待していた少女が、手の届かなくなった現実から眠りへ逃げる物語です。生きることは重くなり、小さな蝶は車輪に壊される。それでも嵐の空の下で、彼女は太陽が昇るためには沈まなければならないと言う。夢の中で求めていた楽園は、最後に、ここもそうかもしれないという可能性へ変わります。
目次
聴く
歌詞と和訳
Intro
Ooh-ooh-ooh, ooh-ooh-ooh, ooh-ooh-ooh
Ooh-ooh-ooh, ooh-ooh-ooh, ooh-ooh-ooh
Verse 1
When she was just a girl
彼女がまだ少女だったころ
She expected the world
世界に期待していた
But it flew away from her reach
でも世界は、彼女の手の届かないところへ飛び去った
So she ran away in her sleep
だから眠りの中へ逃げ出した
Chorus
And dreamed of para-, para-, paradise
そして楽園を夢見た
Para-, para-, paradise
楽園を
Para-, para-, paradise
楽園を
Every time she closed her eyes
目を閉じるたびに
Post-Chorus
Ooh-ooh-ooh, ooh-ooh-ooh, ooh-ooh-ooh
Ooh-ooh-ooh, ooh-ooh-ooh, ooh-ooh-ooh
Verse 2
When she was just a girl
彼女がまだ少女だったころ
She expected the world
世界に期待していた
But it flew away from her reach
でも世界は、彼女の手の届かないところへ飛び去った
And the bullets catch in her teeth
そして弾丸が、彼女の歯に引っかかる
Pre-Chorus
Life goes on, it gets so heavy
人生は続いていく あまりにも重くなる
The wheel breaks the butterfly
車輪は蝶を壊す
Every tear, a waterfall
涙の一粒一粒が滝になる
In the night, the stormy night, she’d close her eyes
夜には、嵐の夜には、彼女は目を閉じた
In the night, the stormy night, away she’d fly
夜には、嵐の夜には、彼女は遠くへ飛んでいった
Chorus
And dream of para-, para-, paradise
そして楽園を夢見た
Para-, para-, paradise
楽園を
Para-, para-, paradise
楽園を
Oh, oh-oh, oh-oh, oh-oh-oh
She’d dream of para-, para-, paradise
彼女は楽園を夢見た
Para-, para-, paradise
楽園を
Para-, para-, paradise
楽園を
Oh, oh-oh, oh-oh, oh-oh-oh
Bridge
La, la-la, la-la-la
La, la-la, la-la-la
La, la-la, la-la-la, la-la
So lying underneath those stormy skies
そしてあの嵐の空の下に横たわりながら
She said, “Oh, oh-oh-oh-oh, I know the sun must set to rise”
彼女は言った 「太陽は昇るために沈まなくちゃいけないって、分かってる」
Chorus
This could be para-, para-, paradise
ここが楽園なのかもしれない
Para-, para-, paradise
楽園なのかもしれない
This could be para-, para-, paradise
ここが楽園なのかもしれない
Oh, oh-oh, oh-oh, oh-oh-oh
This could be para-, para-paradise
ここが楽園なのかもしれない
Para-, para-, paradise
楽園なのかもしれない
This could be para-, para-, paradise
ここが楽園なのかもしれない
Oh, oh-oh, oh-oh, oh-oh-oh
Instrumental Break
Chorus
This could be para-, para-, paradise
ここが楽園なのかもしれない
This could be para-, para-, paradise
ここが楽園なのかもしれない
This could be para-, para-, paradise
ここが楽園なのかもしれない
Oh-oh-oh-oh-oh, oh-oh-oh
Outro
Ooh-ooh-ooh, ooh-ooh-ooh, ooh-ooh-ooh
Ooh-ooh-ooh, ooh-ooh-ooh, ooh-ooh-ooh
Ooh-ooh-ooh, ooh-ooh-ooh, ooh-ooh-ooh
Ooh-ooh-ooh, ooh-ooh-ooh
歌詞を深く読む
世界が手から離れた後、眠りだけが逃げ場になる
少女が期待していた世界は、思い描いたほど近くにとどまってくれません。手の届かないところへ飛び去るという動きで、その隔たりが歌われます。彼女が望みを捨てたという説明より先に、世界のほうが離れていく像がある。期待していたものに届かなくなった感覚が、短い物語の出発点です。
そこから彼女が逃げる先は、別の街や国ではなく眠りです。目を閉じるたびに楽園を夢見るので、夢の中では届く場所が、目を開けた世界にはまだない。楽園という言葉の反復は、現実に手に入った豊かさより、何度でもそこへ戻らなければならない願いを響かせます。
最初は世界が彼女から飛び去り、後には彼女自身が嵐の夜に飛んでいく。同じ飛ぶ動きの向きが入れ替わります。それでも、彼女が飛ぶのは目を閉じた夜の中です。現実の世界を変えられたとは歌わず、眠りの中で距離を取ることが、彼女に残された動きとして描かれます。
重くなる人生を、車輪と蝶の大きさで見せる
二番には歯に引っかかる弾丸が現れます。世界への期待だけを歌った最初の節に、身体に触れるほど近い暴力の像が加わる。何が彼女を傷つけたのかという出来事の説明はありませんが、痛みはもう遠くのものではなく、彼女の口元まで入り込んでいます。
続いて、生きることが重くなり、車輪が蝶を壊すと歌われます。重く回るものと、軽く飛ぶ小さなものの組み合わせです。蝶に壊される理由があるとは言わず、力の釣り合わない接触を一瞬で見せる。前の節で飛んでいった世界や、眠りの中で飛ぶ彼女に、壊されやすい飛ぶものの像が重なります。
涙の一粒一粒が滝になるという行では、小さなものが今度は大きな流れへ変わります。一度の涙として収まるはずのものが、止めにくい量と勢いを持つ。車輪と蝶が力の差を見せるなら、涙と滝は彼女の中で膨らむ苦しさを見せる。人生が重いという一言に、二つの大きさの変化が具体的な形を与えます。
嵐が晴れる前に、楽園を見る言葉が変わる
彼女が自分の声を聞かせるのは、嵐の空の下に横たわっているときです。穏やかな場所へ着いてから話し始めるのではありません。そこで、太陽は昇るために沈まなければならないと口にする。暗くなる動きを、光が失われたという一方向の出来事だけで見ない言葉です。
この発言の後、サビは楽園を夢見たという過去の動作から、ここが楽園かもしれないという可能性に変わります。遠くの夢の場所を求めるだけだった声が、ここにあるものの見え方を変え始める。ただし、楽園になったという確定した宣言ではなく、そうかもしれないという余地を残します。
嵐が去った場面も、彼女の人生が軽くなった場面も描かれません。変わるのは、その空の下で次を考える言葉です。夢へ逃げる必要のあった彼女の物語が、現実のここにも可能性を見いだす声で終わる。楽園を繰り返す同じサビが、最後には違う距離で聞こえてくるのです。
新着記事一覧 / Coldplay「Clocks」の和訳・深読み

コメントをどうぞ