二人を炎の中へ投げ込み、これが最後だと知っても、心は相手を待ち続ける。「Set Fire to the Rain」の激しさは、相手を忘れた強さとは重ならない。最初に落ちる心を受け止め、救ってくれた相手には、知らなかった別の顔もあった。その相手との関係を燃やす声と、まだ探してしまう声が、同じ歌の中に残る。
公式ライブ映像(Royal Albert Hall)
公式ライブ映像(Royal Albert Hall)をYouTubeで開く
歌詞と和訳
Verse 1
I let it fall, my heart
心を、落ちるままにした。
And as it fell, you rose to claim it
落ちていくその心を、あなたは立ち上がって自分のものにした。
It was dark, and I was over
暗闇の中で、私はもう終わったと思っていた。
Until you kissed my lips and you saved me
あなたが唇にキスをして、私を救うまでは。
My hands, they were strong
手には、力があった。
But my knees were far too weak
でも、ひざはあまりに弱くて、
To stand in your arms
あなたの腕の中で、立ってはいられず、
Without falling to your feet
その足元へ崩れ落ちてしまった。
Pre-Chorus
But there's a side to you
でも、あなたには別の顔があった。
That I never knew, never knew
私は知らなかった。まるで知らなかった。
All the things you'd say
あなたが言うことは、何もかも、
They were never true, never true
本当じゃなかった。何一つ、本当じゃなかった。
And the games you'd play
あなたのする駆け引きでは、
You would always win, always win
いつもあなたが勝った。いつも勝つのは、あなただった。
Chorus
But I set fire to the rain
でも私は、雨に火をつけた。
Watched it pour as I touched your face
降り注ぐ雨を見ながら、あなたの顔に触れた。
Well, it burned while I cried
私が泣く間も、それは燃え続けた。
'Cause I heard it screamin' out your name
それがあなたの名を叫ぶのを、聞いたから。
Your name
あなたの名を。
Verse 2
When I lay with you
あなたと横になっていると、
I could stay there, close my eyes
そのままそこにいて、目を閉じていられた。
Feel you here forever
ずっと、あなたをそばに感じていられた。
You and me together, nothing is better
あなたと私が一緒にいる。それ以上にいいことはなかった。
Pre-Chorus
'Cause there's a side to you
だって、あなたには知らない顔があった。
That I never knew, never knew
そんな顔を、私は知らなかった。何も知らなかった。
All the things you'd say
あなたの言葉は、何もかも、
They were never true, never true
本当ではなかった。一度も、本当ではなかった。
And the games you'd play
あなたがする駆け引きは、
You would always win, always win
いつもあなたの勝ちだった。いつだって、あなたが勝った。
Chorus
But I set fire to the rain
でも、私は雨に火をつけた。
Watched it pour as I touched your face
あなたの顔に触れながら、雨が降り注ぐのを見た。
Well, it burned while I cried
泣いている間も、それは燃え続けていた。
'Cause I heard it screamin' out your name
あなたの名を叫ぶのが、聞こえたから。
Your name
あなたの名前を。
I set fire to the rain
私は、雨に火をつけた。
And I threw us into the flames
二人ごと、炎の中へ投げ込んだ。
When we fell, somethin' died
二人が崩れ落ちたとき、何かが死んだ。
'Cause I knew that that was the last time
あれが最後だと、分かっていたから。
The last time
これが最後だと。
Bridge
Sometimes, I wake up by the door
ときどき、扉のそばで目を覚ます。
That heart you caught must be waitin' for you
あなたが受け止めた心は、きっとあなたを待っている。
Even now, when we're already over
二人はもう終わった、今になっても、
I can't help myself from lookin' for you
あなたを探すのを、止められない。
Chorus
I set fire to the rain
雨に、火をつけた。
Watched it pour as I touched your face
降り注ぐ雨を見ながら、あなたの顔に触れた。
Well, it burned while I cried
私が泣く間も、それは燃え続けた。
'Cause I heard it screamin' out your name
それがあなたの名を叫ぶのを、聞いたから。
Your name
あなたの名を。
I set fire to the rain
私は、雨に火をつけた。
And I threw us into the flames
二人を、炎の中へ投げ込んだ。
When we fell, somethin' died
二人が崩れ落ちると、何かが死んだ。
'Cause I knew that that was the last time
それが最後だと、分かっていたから。
The last time
もう、最後なのだと。
Outro
Oh
Oh, no
いや。
Let it burn
燃えるままにして。
Oh
Let it burn
そのまま、燃えるに任せて。
Let it burn
燃えるままにして。
歌詞を深く読む
落ちる心を受け止めた相手には知らない顔がある
一番の心は落ちていき、そのとき相手は立ち上がる。二人の動く方向が逆になり、相手の側へ自分の心が渡る。暗闇で自分はもう終わったと感じていたところへ、相手のキスと救いが来る。最初の近さは、対等に立つ二人より、自分が立てないときに相手が支えてくれた感覚として描かれる。
手は強いのにひざが弱く、相手の腕の中でも足元へ崩れるという行が、その感覚を体へ移す。手の力だけでは、自分の体を立たせられない。抱かれていることと、自分で安定して立てることは別だ。その相手と横になり、目を閉じればいつまでも一緒にいられるように感じたという二番の近さにも、相手へ体と心を預ける動きがある。
その後で、知らなかった顔、真実でなかった言葉、相手がいつも勝つ駆け引きが並ぶ。受け止めてくれた人への信頼が、言葉や関係の動きの中では守られていなかったと語る。知らなかった、本当でなかった、いつも勝ったというそれぞれの反復は、救ってくれたという最初の記憶を一度で消せないぶん、いま見えている別の顔を何度も確かめる声になる。
消すはずの雨の中で燃えるものが相手の名を叫ぶ
「set fire to the rain」は、普通なら火を消す雨に火をつけるという像だ。相反するものが同時に動くことで、別れを静かに片づけられない感情が見える。雨が降り注ぐのを見ながら相手の顔に触れ、泣きながら燃えるものを見る。離れようとする激しさの中にも、まだ相手へ触れている近さがある。
しかも、そこから聞こえる叫びは相手の名前だ。炎の像は相手の存在を消すより、相手を何度も呼び戻してしまう。名前だけをもう一行繰り返すため、長い事情を語った後でも、声が最後に留まるのは一人の相手になる。火と雨の矛盾は、忘れるための行動の中で相手を強く思い出すという矛盾にも重なる。
次のサビでは、火をつけるだけでなく、二人を炎へ投げ込む。燃やす対象が、二人の関係全体へはっきり向く。そのとき何かが死に、最後だと知ったと語る。それでも何が死んだかを一つの名で言い切らないため、関係の終わり、未来への期待、信頼の変化が、一つの喪失として響く。相手を消せたという勝利の形にはならない。
最後だと知る声と扉で待つ心が同時に残る
橋渡しの部分は、扉のそばで目を覚ますという場面へ変わる。激しく燃える像の後で、相手が入ってこられる境目に自分がいる。そこで待っていると歌うのは「that heart you caught」、相手が受け止めたあの心だ。最初に相手へ渡った心が、別れの後にも同じ相手を待つものとして戻ってくる。
二人はもう終わったという判断の直後に、それでも探してしまうと続く。終わったことを知らないから待っているのではない。知っていても心の動きを止められない。最初に自分は終わったと感じていた声と、今は二人が終わったと知る声では、終わるものが変わっている。相手に救われた記憶は、その二度目の終わりをすぐ受け入れさせてくれない。
最後にも同じ火と最後の時が戻り、燃えるままにしてと繰り返す。燃やせば待つ気持ちがなくなるという結果は、歌詞には現れない。相手の別の顔を知り、二人を炎へ投げる決意を語りながら、相手に受け止められた心も残る。激しい別れの像が、終わりを知る速さと心が離れる速さの差を浮かび上がらせる。
あわせて読みたい
Hello|返事のない電話で相手の外側から謝り続ける ・ Adeleの歌詞和訳・掲載曲一覧
Someone Like You|幸せを願う声に忘れないでという願いが残る
出典・作品情報
Set Fire to the Rain — 保存元の歌詞ページ
Adele – Set Fire To The Rain (Live at The Royal Albert Hall)
「Set Fire to the Rain」は『21』(2011年)収録曲。掲載映像はロイヤル・アルバート・ホールでの公式ライブ映像です。 公式作品情報
和訳・解説:PUFFER!。AIを用いて制作・編集。
写真:Marc E. (marcen27)(2016年3月26日、Glasgow SSE Hydroでの公演)。Wikimedia Commons/CC BY 2.0。トリミング・リサイズ・色調調整・グラデーションと文字追加。顔や身体の修整なし。対象曲の公式MVの場面ではありません。


コメントをどうぞ