名前を忘れないと言った相手なのに、振り向いた顔は相手の顔ではない。「CHIHIRO」では、知っているはずの人と、知らないと感じる人が重なる。扉を開けてほしいという願いが繰り返される一方で、何を言えばよいのか、なぜ電話したのかも分からない。戻ってこられるか分からないという言葉には、そんなことを言わないでと返す声が残る。
公式配信音源
歌詞と和訳
Verse 1
To take my love away
私の愛を奪い去るために。
When I come back around, will I know what to say?
また戻ってきたとき、何と言えばいいか分かるかな?
Said you won't forget my name
私の名前は忘れないと、言ったね。
Not today, not tomorrow
今日も、明日も。
Kinda strange, feelin' sorrow
なんだか変。悲しみを感じてる。
I got change (Yup), you could borrow (Borrow, borrow, borrow)
小銭ならある。(うん)借りてもいいよ。(借りても、借りても、借りても)
When I come back around, will I know what to say?
また戻ってきたとき、何と言えばいいか分かるかな?
Not today, maybe tomorrow
今日じゃない。たぶん、明日。
Chorus
Open up the door, can you open up the door?
扉を開けて。扉を開けてくれる?
I know you said before you can't cope with any more
もうこれ以上は抱えきれないと、前に言ったことは分かってる。
You told me it was war, said you'd show me what's in store
戦争だと私に言い、この先に何が待つか見せると言ったね。
I hope it's not for sure, can you open up the door?
そうと決まったわけじゃないといい。扉を開けてくれる?
Refrain
Did you take
あなたが奪ったの?
My love away
私の愛を、
From me? Me
私から?私から。
Me
私から。
Verse 2
Saw your seat at the counter when I looked away
目をそらしたとき、カウンターにあるあなたの席が見えた。
Saw you turn around, but it wasn't your face
あなたが振り向くのを見た。でも、それはあなたの顔じゃなかった。
Said, "I need to be alone now, I'm takin' a break"
『今は一人になりたい。少し休む』と言った。
How come when I rеturned, you were gonе away?
どうして、私が戻ったとき、あなたはいなくなっていたの?
Bridge
I don't, I don't know why I called
分からない、どうして電話したのか分からない。
I don't know you at all
あなたのことを、まるで知らない。
I don't know you
あなたのことを知らない。
Not at all
まったく。
I don't, I don't know why I called
分からない、どうして電話したのか分からない。
I don't know you at all
あなたのことを、まるで知らない。
I don't know you
あなたのことを知らない。
Refrain
Did you take
あなたが奪ったの?
My love away
私の愛を、
From me? Me
私から?私から。
Verse 3
And that's when you found me
そのとき、あなたが私を見つけた。
I was waitin' in the garden
私は庭で待っていた。
Contemplatin', beg your pardon
考え込んでいた。ごめんなさい。
But there's a part of me that recognizes you
でも、私の一部はあなたが誰か分かる。
Do you feel it too?
あなたも、それを感じる?
When you told me it was serious
本気だと私に言ったとき、
Were you serious? Mm
本当に本気だった?
They told me they were only curious
向こうは私に、興味があるだけだと言った。
Now it's serious, mm
今は、本気。
Chorus
Open up the door, can you open up the door?
扉を開けて。扉を開けてくれる?
I know you said before you can't cope with any more
もうこれ以上は抱えきれないと、前に言ったことは分かってる。
You told me it was war, said you'd show me what's in store
戦争だと私に言い、この先に何が待つか見せると言ったね。
I hope it's not for sure, can you open up the door?
そうと決まったわけじゃないといい。扉を開けてくれる?
Outro
Wringing my hands in my lap
膝の上で、両手をもみ合わせている。
And they tell me it's all been a trap
向こうは私に、全部罠だったと言う。
And you don't know if you'll make it back
あなたには、戻ってこられるか分からない。
I said, "No, don't say that"
私は『いや、そんなこと言わないで』と言った。
(Wringing my hands in my lap)
(膝の上で、両手をもみ合わせている)
(And you tell me it's all been a trap)
(あなたは私に、全部罠だったと言う)
(And you don't know if you'll make it back)
(あなたには、戻ってこられるか分からない)
(But I said, "No, don't say that")
(でも私は『いや、そんなこと言わないで』と言った)
(Wringing my hands in my lap)
(膝の上で、両手をもみ合わせている)
(Tell me it's all been a trap)
(全部罠だったと、私に言う)
(Don't know if you'll make it back)
(戻ってこられるか分からない)
(Don't say that)
(そんなこと言わないで)
Hm-hm
歌詞を深く読む
名前を覚えている約束と顔の違いが食い違う
一番には、自分の名前を忘れないという相手の約束がある。それに続く今日も明日もという言葉は、その約束を先の時間へ伸ばす。ところが二番で目にした顔は、相手の顔ではない。名前を覚えていてくれるはずの人を、自分が確かに見分けられないという食い違いが生まれる。
電話した理由が分からないというブリッジでは、あなたをまるで知らないという言葉が何度も続く。それでも三番では、自分の一部は相手が誰か分かると言う。知らないという声で関係を切り終えず、分かる感覚も同じ自分の中へ残す。
この二つを一つに決める答えは出ない。相手が変わったのか、自分の見方が揺れているのかという説明より、見知ったはずの人へ近づくと知らなさが現れる感覚が続く。庭で待っていた自分が見つけられる場面も、相手との接点が完全には失われていないことを示す。
扉を開けてほしい声は相手が抱えきれないことも知っている
サビの「Open up the door」は、相手の側にある閉じたものを開けてほしいという願いになる。語り手は、相手がもうこれ以上抱えきれないと言ったことを知っている。その限界を聞いていないふりをするのでなく、知っていてもなお、開けてくれるかと問い続ける。
相手は戦争だと言い、この先に待つものを見せるとも言う。サビの声は、それが確かなことではないと願う。何かが恐ろしい結末へ決まったものとして差し出されても、その確定を受け入れ切れない。扉を開けてという問いは、そんな未来の手前に置かれる。
また戻るとき何を言えばよいか、という一番の問いも同じ不確かさを持つ。もう一度接点を持ちたいが、そこへ持っていく言葉をまだ見つけていない。扉を開けてという短い願いだけが、理由を言い切れないまま何度も戻る。
本気かを確かめる問いの後にも帰還への不安が残る
三番では、本気だと言った相手に本当に本気だったかと聞く。興味があるだけだという別の言葉も、今は本気だという声へ続く。同じ本気という言葉を繰り返しても、その真偽が確かめ終わるわけではない。言葉を受け取ることと、その言葉を信じられることの間が残る。
アウトロで膝の上の両手をもみ合わせる姿は、その不安を小さな身体の動きへ置く。全部罠だったという言葉と、戻ってこられるか分からないという言葉が重なる。その返事は、分かったという受け入れではなく、そんなことを言わないでという拒みだ。
括弧の中でも同じ場面が戻り、返事まで繰り返される。愛を奪ったのかという問いも、相手に扉を開けてほしい願いも、最後まで確かな返答を得ない。歌は、不安が説明された結末へ進むより、相手の言葉にまだ別の可能性を求める声を残す。
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出典・作品情報
「CHIHIRO」は『HIT ME HARD AND SOFT』(2024年)の3曲目。掲載音源は同アルバムの公式配信音源です。 公式作品情報
和訳・解説:PUFFER!。AIを用いて制作・編集。
写真:Raph_PH(2022年6月16日、ロンドンO2 Arenaでの公演)。Wikimedia Commons/CC BY 2.0。トリミング・リサイズ・色調調整・グラデーションと文字追加。顔や身体の修整なし。対象曲の公式MVの場面ではありません。


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